岡田晴恵著・児童文学『病気の魔女と薬の魔女』内容・あらすじ

2020年2月頃から新型コロナウイルス(COVID-19)の解説でテレビで引っ張りだこの岡田晴恵さん。

専門は感染症学、公衆衛生学、児童文学。

著書を調べてみましたら、多数あります。

注目したのは

児童文学

 

絵本も多数出版されています。

 

インフルエンザウイルスのフルくん

など

うつる病気のひみつがわかる絵本

のシリーズになっています。

 

 

 

そして長編児童文学

 

・病気の魔女と薬の魔女

・ローズと魔法の薬

・ローズと魔法の地図

・ローズの希望の魔法

 

が出版されています。

 

この4冊の本は

かけだしの魔女ローズがシリーズの主人公になっています。

 

題材が事実に基づいており、さすが科学者がえがく物語だとかつてない新鮮さをもって読み進めることができました。

 

 

物語の中心は

病気の魔女と薬の魔女

のストーリーです。

 

 

病気の魔女は

世界で大流行した感染病の

天然痘

ペスト

コレラ

マラリア

などが魔女として登場します。

 

そして世界で流行した順番に年齢を重ねている設定になっています。

歴史上最も古くから蔓延していたとされる天然痘が、物語の魔女の中でも最も老女です。

しかし天然痘は撲滅したといわれていますので、物語でも病気の魔女の一番上に君臨して絶大なる支持を集めている存在ですが、行方不明状態です。

ですので、天然痘の魔女が不在の現在はペストの魔女が事実上のトップに君臨しています。

 

またサーズはごく最近流行した病気です。2002年に流行し約800人が亡くなりました。ということで人間でいえば12歳くらい、魔女年齢は120歳くらいで魔女としては若手、小娘扱いです。

 

インフルエンザは毎年流行していて型もたくさんあります。ということでインフルエンザの魔女は144人もいて、インフルエンザのお頭が親玉として総括しています。

 

あらすじ

ローズは普段、人間に紛れて魔女だということが気づかれないように生活しています。

古い石造りの屋根裏部屋に下宿して近くの修道院付属の薬局へ勤めています。

そこには薬の魔女の長老・ファーマ先生と青カビ専門家のアン先生もいます。

ローズはこの二人の先生のもと勉強しながら、薬局で働いています。

 

魔女の祭り

ある日、ドイツのハルツ山脈のブロッケン山でワルプルギスの魔女の祭りにファーマ先生は初めてローズを連れていこうとしました。今回はアン先生はお留守番です。

その祭りには、世界中のあらゆる魔女がやってきます。

薬の魔女のファーマ先生だけでなく、霧の魔女、風の魔女、嵐の魔女、ビスケットの魔女、キャンディーの魔女、氷の魔女、そして病気の魔女たち。

病気の魔女と薬の魔女は宿敵です。

このお祭りではいがみ合ってはいけないという魔女の掟があります。

しかしどうなるかわかりません。

アン先生が青カビから作ったペニシリン(抗生物質)のおかげで病気の魔女たちは自分たちの活動が思うように出来ないと不満に思っています。

それでアン先生は危険だということで今回はお留守番になったのです。

 

魔女会議(サバト)

しかし当日、病気の魔女たちは誰ひとりとして現われませんでした。というのも別の場所で魔女会議(サバト)を開いていたからでした。

病気の魔女たちは最近疫病の大流行を起こせずにいたことをふがいないと思っており、「疫病の大流行を起こす当番を決めて、皆が協力して大きな仕事を企てよう」と一致団結したのでした。

そしてH5インフルエンザの魔女が次の大疫病を起こす大役に抜擢されたのでした。

 

 

病気の魔女たちの企み

そういった恐ろしい企てをお月様が空から見て聞いていました。

それをローズに話してくれたのです。

ローズはすぐにファーマ先生とアン先生に知らせました。

すると、先生たちはローズにワクチンの魔女のところへ直ちに出発するように言います。

それは

「ペストはバクテリア族。抗生物質が効く。だからここにいるアン先生の青カビが役に立つ。

しかしインフルエンザはウイルス族。ワクチンで予防するしかない。間に合うように急ぎ知らせてほしい。

そしてワクチンの魔女の手伝いをして、H5インフルエンザからみんなを守って救ってほしい」

ということでした。

 

ローズ・ワクチンを作る

ローズはすぐさま旅立ちワクチンの魔女ワッカの元へ。

ローズは早速魔女ワッカを手伝うことになります。

最初の仕事は鶏の卵を集めること。ワクチンを作るには鶏の卵が欠かせないのでした。

そして見事にワクチンを作り出すことに成功しました!

しかしそれを皆の元に配る方法までは考えが及ばないでいました。

するとコウノトリたちがワクチンを届けるのを手伝ってくれました。

ということでなんとか間に合ったのです!

病気の魔女は

「短期間によくぞこれほどのワクチンを作ったものよ。若い小さい魔女を我らが甘く見すぎてたのじゃ」

と怒り狂います。

疫病を流行らすのに失敗したH5インフルエンザの魔女は叱責を受けます。

 

 

 

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