「リトル・マーメイド」の原作アンデルセンの「人魚姫」

ディズニーの実写版「リトル・マーメイド」。

そのもととなるディズニーアニメの「リトル・マーメイド」。

日本での公開日は1991年7月21日。

そのもととなるお話は、アンデルセン原作の「人魚姫」です。

アンデルセン原作の「人魚姫」は

アンデルセンの「人魚姫」を読んだことがある人は、ディズニーアニメの終わり方に違和感を持ったのではないでしょうか。

というのは、ディズニーアニメの「リトル・マーメイド」はハッピーエンドに終わっているのですが、原作は悲劇だからです。

悲しすぎて、小さい頃涙を流したものでした。

なので「人魚姫」というと「可哀相な物語」でした。

それがいつの間にか、ハッピーなお姫様の物語にすり替わっているところは、さすがディズニーです。

私が幼い頃に読んだ本も子ども用なので、だいぶ省略されてはいます。

しかし終わり方は
「泡となって天にのぼった。あるいは消えた」
と記憶しています。

まあ、確かに泡は風に吹かれて空に昇っていくし消えてしまいますので、理にかなっています。

だからこそ可哀相なのです。

 

では、アンデルセンの「人魚姫」とはどんな物語なのでしょう。

 

アンデルセン「人魚姫」あらすじ

6人の人魚姫

海のもっとも深いところに王さまの宮殿がありました。

そこには王さまとおばあさまと6人の人魚姫が住んでいました。

人魚姫は15歳になったら海の上へ行くことをゆるされます。

そして海の上からみた一番美しいものをみんなに報告するのです。

6人の人魚姫のうち1番上の姉が初めて海の上へとあがる日がきました。

6人は1歳ずつ年が離れていましたので一番下の姫は一番待たなければなりませんでした。

その分、空想が膨らみます。そして誰よりも海の上のことを知りたい気持ちでいっぱいになりました。

それぞれの姫は街の灯りや美しい音楽の音色、空や雲の美しさ、美しい緑の丘、真珠のように美しい氷山の話をしますが。結局海の底が一番いいという考えに落ち着くのでした。

一番下の人魚姫の番に

最後に一番下の人魚姫の番になりました。

人魚姫は海の上にあがったとき大きな船を見かけました。

その中にいた若い王子は美しく、人魚姫はひと目で好きになってしまいました。

 

船が難破

ところが海が荒れ出して船は難破してしまいます。

王子も深い海へと落ちていきました。

最初は嬉しく思った人魚姫でしたが、人間は水の中では生きられないことを思い出し、懸命に王子を助けました。

そして王子を砂浜へ横たえました。

やがて王子は目を開けます。

そのとき王子の目の前にいたのは人間の若い娘でした。

王子はその若い娘が自分を救ってくれたのだと思い込んでしまいます。

人魚姫は悲しい気持ちでいっぱいになりながら、海の底へ戻っていきました。

つのる思い

人魚姫は人間の世界には知りたいことがいっぱいありました。

しかし姉たちは誰も答えられません。

そこでおばあさまに聞きました。

おばあさまは
「人魚の寿命は300年。

けれど人魚は不滅の魂をもっていないから生まれ変わることはできない。

最後は泡となって消えてしまうのよ。

人間の寿命はわたしたちよりずっと短いの。

けれど不滅の魂を持っているから体がほろんで土となってしまっても魂は生き続け、空をのぼって光り輝く星の美しいところへいけるのよ」

と言いました。

王子様のことが忘れられない人魚姫は
「王子様と、永遠の魂を手に入れたいわ。どんなことでもするわ」
と思いつめます。

魔女のところへ

そして恐ろしいことを考えました。

それは誰にも言わないで、たったひとりで恐ろしい海の魔女のところへ行くことでした。

魔女は人魚姫の心のうちをわかっていたかのように、願いを聞いてくれると言います。

しかしそれは美しい人魚姫の声と引き替えでなければなりません。

人魚姫はそれでも構わないと、魔女に伝えました。

それを聞いた魔女は人魚姫に薬を調合し渡しました。

その薬は、飲むと尾びれが割れて短くちぢまり、鋭い剣でつき刺されるような激痛が走り、人間の足に変わる薬でした。

魔女は
「おまえは一歩あるくごとに鋭いナイフの上を歩くみたいに血を流すことになる。

ひとたび人間の姿になったら二度と人魚にもどれない。

海の底の城におりていくこともできない。

もう家族とは一緒に暮らせないよ。

それにもし王子がほかの女と結婚したらその翌朝にはお前の心臓ははりさけ、

海の上の泡になって消えてしまうのだ」

と人魚姫に言いました。

人魚姫は魔女から薬をもらい、舌を切られました。

 

人間の足に

舌を切られた人魚姫もう二度としゃべることができなくなりました。

それでも人間になるために、陸の上にあがり、魔女からもらった強い劇薬を飲み干しました。

すると、のどが焼け付くような激痛が走りました。

確かに尾びれは足に変わりましたが、あまりの痛さに人魚姫は気を失ってしまいました。

 

 

王子様に再会

人魚姫が気がつくと目の前になんと!大好きな王子様が立っていました。

王子は美しい人魚姫をひと目で気に入り、いろいろ質問攻めにします。

しかし声が出ない人魚姫はそれに答えることはできません。

王子様は口をきくことができな人魚姫をかわいそうに思いお城へ連れて帰りました。

人魚姫は誰も見たことのない美しい踊りを踊ることができました。人魚姫の踊りを見た者はあまりの素晴らしさに心を深く打たれ、魅了されました。

しかし人魚姫は足を地面につくたびに鋭いナイフを踏むような痛みに耐えて我慢して踊っていたのでした。

 

 

王子様が愛しているのは

王子様は美しく優しい人魚姫をいとおしいと思ってはくれましたが、それはお妃にむかえたいという思いとは違いました。

そして人魚姫に
「僕が一番愛しているのは自分を助けてくれた人間の娘だけだ」
と言うのです。

しかも、王子の務めとして見たこともない隣国のお姫様と結婚しなければならないと嘆いているのです。

ああ、なんということでしょう!

王子様は人魚姫が自分の命の恩人だとは気づいていないのです。

人魚姫は
「王子様を助けたのは自分なのに!」

と胸が張り裂ける思いでいっぱいになりました。

 

王子様が結婚

王子様は務めを果たすために、隣国のお姫様の元に出かけました。

人魚姫もついていきました。

隣国のお姫様の顔を見た王子様は驚きます!

自分を助けてくれた(と思い込んでいる)娘の顔だったからです。

王子様は大感激!

まさに運命だと思い込み結婚を決意しすぐに結婚式をあげてしまいました。

 

船で帰国の途へ

その夜王子様は花嫁をつれて船で帰国の途へ着きました。

このままでは人魚姫は翌朝には海の上の泡となって消えてしまいます。

明け方近くになって人魚姫と王子様と花嫁が乗っている船のすぐ近くまで5人の姉たちがやってきました。

そして人魚姫を見つけると必死に叫びました。

「私たちの髪の毛をあの魔女にあげたわ。

そのかわりこのナイフをくれたの。

これから朝日が昇る前に王子の心臓をこのナイフで突き刺すのです。

王子の血が足にかかれば元通りの魚の尻尾になるわ。

また人魚に戻り海の底へ帰れるのよ。

急いで!あと3、4分もすれば日が昇ってしまうわ」

人魚姫は心を決めて、ナイフを持って王子様の寝室へ向かいました。

 

しかし突き刺すことはできませんでした。

 

泡になった人魚姫

人魚姫はナイフを海へ放り投げると、海へ飛びこびました。

自分のからだが溶けて泡となっていくのがわかりました。

しかし死んだ気にはなれないのです。

泡となった人魚姫と同じように、すきとおった美しいものが何百とただよっているのが見えました。

「どこへ行くのですか?」

人魚姫は聞いてみました。

「空気の娘のところですよ」
とすきとおったものが答えました。

試練の時間

「かわいそうな人魚さん、あなたも空気の精の世界までのぼってきたのですね。

これから300年善い行いをしたら不滅の魂をもらうことができますよ」

「300年たったら、こうして神のもとにのぼっていけるのね」

「もっと早くなることもありますよ。

わたしたちは人には見えないけれど、両親を喜ばせたりかわいがられる良い子を見つけて、嬉しくなってほほえむと、300年から1年試練の時間が短くなるの。

けれどもお行儀のよくない悪い子を見つけて悲しい涙を流すと、涙が一滴こぼれるたびに試練の日が1日増えてしまうのです」

と空気の精はいいました。

 

~おしまい~

 

ラストは

実際はもっと長いお話ですが、割愛しました。

児童文学では

しかし死んだ気にはなれないのです。

以下の文章は省略されていると思います。

なんか変ですもの。

キリスト教の影響でしょう。

そう考えるとディズニーがラストを変えたくなるのもわかりますね。