小説「アナと雪の女王」影のひそむ森~あらすじ

映画「アナと雪の女王」のラストで、エルサの魔法により心臓が凍ってしまったアナでしたが、真実の愛で生き返りアレンデール王国にも平和が訪れました。あれから3年。

この小説は映画「アナと雪の女王2」の1ヶ月ほど前に起きた物語です。

あらすじ

ネタバレ注意!

エルサ女王陛下は毎日過密スケジュールに追われていた。5日後にはアレンデール王国を船で経ち諸国歴訪へ旅立つという。

自分も一緒に連れて行ってもらえると思っていたアナだったが、いつまでたってもエルサから声がかからない。

「もしや連れて行かない気なのか?」
疑心暗鬼でモヤモヤする気持ちをかかえていたアナは多忙すぎるエルサと話す機会を画策した。

ようやく 2人で話すタイミングを得たアナだったが話を切り出そうとした時、国に大変なことが起きたとの一報を耳にした。

 

真っ白病

それは家畜の牛やヤギのからだが白く変わり深い眠りについて起きないという。後にエルサが「真っ白病」と名付けたその不可解な症状は徐々に国中に広がり、やがて野菜や果物までその病に侵されてしまう。

エルサとアナは城の図書室へ行きその原因を突き止めることにした。なぜなら父の口癖「過去は繰り返す」を思い出したからだ。

 

秘密の部屋

図書室でアナは隠し部屋を見つける。そこには色々な魔法の本があった。アナはエルサにも隠し部屋のことを伝えた。二人はアレンデール王国の建国者であり伝説の指導者アレンの肖像画を見つける。魔法の剣レヴォルートも描かれていた。

アレンは太陽から授かったその剣を地面に突き刺してフィヨルドを作りそこにアレンデール王国を築いたという伝説がある。

この部屋に助けとなるなにかがありそうなのにエルサは、
「秘密の部屋は訳があって秘密にしていたのだろうから、もうここに来てはいけない」
とアナに言って部屋を出た。

 

夢を現実にする呪文

なんとか自分も役に立ちたいと思ったアナは「秘密の部屋」から持ち出した「魔法づくりの秘密本」の中から「夢を現実にする呪文」を唱えてみた。なにも起こらないように感じた。

しかしその晩、アナは悪い夢にうなされていた。夢の中に狼が現れアナを追いかけるのだ。それは現実となり城の中で狼に追われることに。アナとエルサたちは城の地下から外へ出る秘密の通路を通ってようやく町に出た。

いたたまれなくなったアナはエルサに
「自分が夢が現実になる呪いを唱えたせいかもしれない」
と白状した。

エルサが「魔法作りの秘密本」のページをよく読むと「呪文は3度目の日の出とともに永久に根を張る」と書かれていた。

つまり三日以内に解決しなかったらあの恐ろしい狼はこの国に居座ることになるのだ。

それに「真っ白病」のこともある。

 

ソレンソン

こうなったら神話や伝説に詳しい魔術師というソレンソンに会いに行くしかないとエルサとアナとクリストフは出発した。

鉱夫の山の頂上にたどり着いた一行はソレンソンから「ナットマラ」のことを聞く。

ナットマラの正体は“悪夢(ナイトメア)”だという。

『心の奥にひそむ恐れをかくそうとするとナットマラが生まれる。その恐れがあまりに大きくなると、心の中におさまり切れなくなり外に現われる。ナットマラはあらゆる生き物からエネルギーをしぼりとる。恐れをエサに生きているから恐れをつくりだそうともする。どんな形にもなるが黒い砂にもなるからどんなすきまからでも入り込んでしまう。野放ししておくと、そこで暮らす人々は永遠に悪夢の眠りに落ちてしまう。力が強くなればなるほど恐れる者がふえ、その恐れでナットマラはますます強大になっていく』

という神話があるとソレンソンは言う。

この神話が本当だとしたら、どうすれば倒せるのか?

神話は神話で倒すしかない。神話にでてくるアレンのレヴォルートの剣で。

しかしアレンは伝説の人であって本当に存在しているかわからない。そのレヴォルートの剣だってどこにあるのか。

 

フルドラ族

フルドラ族は失われたものをつねに見つけるという。

エルサたちはフルドラ族を探しに鉱山の中へと進んだ。地下にはフルドラ族の秘密のすみかが広がっていた。青みがかかった灰色の岩を彫り込んだ家々からオレンジ色の明かりがもれている。

 

失われしものの図書館

フルドラの王から紹介された補佐官のオブスカレンに案内され「失われしものの図書館」でレヴォルートの剣を探したがみつからなかった。焦って怒りがつのるエルサにアナは笑い出したくなるのをこらえて「レヴォルートの剣のありかがわかった」と伝える。

それは
〈アース・ジャイアントの道〉にあったドラゴンの船。

「アレンが海が空となる場に住むドラゴンに飲み込まれたという神話」の、「海が空となる場」とは〈アース・ジャイアントの道〉。そこはフィヨルドの下を通っているから海が空になる。そしてドラゴンの船もあった。

だからレヴォルートの剣もあるはず!

 

レヴォルートの剣

急いで〈アース・ジャイアントの道〉に戻り

ついにみつけた!伝説の至宝を。

剣には
R-E-V-O-L-U-T-E
の文字が彫り込まれていた。

アナはレヴォルートの剣を握りしめナットマラを倒すため走り出した。

しかしエルサが
「あなただけば守りたい」
と言いながら剣を奪い取り、オオカミの姿のナットマラに立ち向かい、その喉の奥に突き刺した。

すると剣はガラスのように粉々にくだけ散った。

レヴォルートの剣は怪物を退治できなかったのだ。

 

ナットマラ

アナは眠りから覚めた。

どのくらい眠っていたのか聞くとほんの2、3時間だという。

日の出まであと1時間ある。

自分のせいでこうなったと落ち込むアナ。

 

しかし『諸国歴訪にアナを連れて行かないのは、エルサの不在中王国の統治者として見守る役目をしてほしかったからだ』

ということを知らされる。

アナのモヤモヤとしていた疑心暗鬼の心が晴れた。

自分は役に立たないと思われていなかったんだと。

 

正体がわかった

そして

「恐れというものは、無視すればするほど大きくなる。向き合わなければならない」

と気づいた。

エルサの元に駆けていったアナはエルサに

「恐れを受け入れるように」

と告げる。

 

エルサの恐れていたものとは

エルサが恐れていたのは玉座だった。

無能な女王になることを恐れていたのだった。

ナットマラはエルサを無能な女王に仕立て上げようと真っ白病を生み出したのだ。

「姉さんはすばらしい女王で、素晴らしい指導者よ。すばらしい姉さんでもある。だからこそみんな、エルサが大好きなのよ」
とアナがエルサに伝える。

 

ナットマラを倒す

アナの思いはエルサに伝わった。

エルサに心の変化があった。

その証拠に風が静まり、巨大なオオカミは小さくなっていき子オオカミほどの大きさになった。

「ナットマラはわたしの恐れだったのね。無能な女王になることが怖くてたまらなかったけど、わたしにはアナがいるものね」

ついにナットマラの力はすっかり消えた。

エルサは言った。
「わたしたちどうやってナットマラを倒したのかしら」

アナは答えた。
「真実の愛よ」

剣に刻まれていた
R-E-V-O-L-U-T-E


T-U-R-E-L-O-V-E

とも並び替えられる。

 

他にも

どうでしたでしょうか?

またもや「真実の愛」でしたね。

日本とは違う宗教観を感じます。

詳しい物語を読みたい方はぜひ原作本を読んでみてください。細かい描写でより世界に浸れます!

作者は児童書作家のカミラ・ベンコーでオリジナル小説です。

児童書というより大人向けの小説ですね。

小学校高学年だったら読めるかも。

ほかにも
「エルサと夏の魔法」
「二人の固いきずな」
があります。

このような小説が書かれていることに映画の人気ぶりを感じますね。