映画『ビッグ ウィッシュ』あらすじと『リメンバー・ミー』との比較

ファンタジーものは好きなので観てみました。

日本の映画館では上映されていないようですね。

2019年のメキシコ映画です。

映画タイトル

邦題の『ビッグ ウィッシュ~魔法に願いを』は、わかりづらいタイトルですね。

 

ビッグ ウィッシュ

大きな

 

ウィッシュ

=願い?望み?

 

サブタイトル

魔法に願いを

 

ということで魔法が使われるアニメとかろうじてわかります。

苦肉の策だったのでしょうか、邦題付けは難しいですね。

原題

『Dia de Muertos』

スペイン語で

『死者の日』

だそうです。

でもこの原題をそのまま訳しても、誤解を招きそうですし、日本人にとってはなんのことか、わかりづらいですね。

 

 

あらすじ(途中まで)

孤児の女の子=サルマは年に1度の死者の日に自分の両親に会いたいために祭壇を作ろうとします。

が、育ての親である“ばあば”に反対され続け、一度もちゃんと作れたことがありません。

そのため一度も両親の魂に会えずにおりました。

祭壇を作るのは反対されていましたが、サルマは両親の手掛かりをつかむために街中を調査し続けてきました。

とうとう湖の中にある小島とそこに建つ廃城だけが調査しきれずに残りました。

大人に成長したサルマは、廃城へ行けばなにか手掛かりが見つかるに違いないと幼なじみの男の子2人(ホルヘとペドロ)と、ある夜こっそり船を出してその島へ向かいました。

島へ上陸し廃城の扉を進むと、死者の国の入口とされている大きな木がありました。

木の前にはテーブルがあり分厚い本が置いてありました。

サルマが本に書かれていた文字を読むと大きな木にぽっかりと穴が空き3人はその穴に吸い込まれていきました。

更に進むと大きな鎌をもった巨人が門番をしていました。

サルマは本に書かれていた呪文を唱え、魔法を使って戦います。

ところがホルヘとペドロは戦いの最中に谷底へ落ちてしまいました。

悲しんでいるサルマのところに、男性(モレット)がやってきました。

モレットはかつて愛する女性が病気で亡くなってしまったことで、死を憎み、死が訪れない世界に変えてしまった教授でした。

しかし世の中は治らない病気の者であふれてしまい、永遠の命は良いものではなかったことを悟った皆は、「命の循環」を壊してしまったモレットを捕らえ、永遠の命のまま誰も見つけられないところに閉じ込めたのでした。

そこにサルマたちがやってきて戦いで建物を壊したことで牢は破られ、モレットは自由になりました。

モレットはサルマに「両親のことをおしえてやる」といってついてくるようにいいました。

一方谷底に落ちてしまったホルヘとペドロは死者の国へと落ちていたのでした。

死者の国では、死んだ者は骨だけ、つまりガイコツの姿で暮らしていました。

『リメンバー・ミー』の真似?

映画を観ていくと映画『リメンバー・ミー』とそっくり!

と思うかもしれません。

どこが似ているかと言いますと

 

・年に1度の『死者の日』に祭壇を作ると死者に会える

・死者の国では亡くなった人がガイコツ姿で生活している

・死者の日にはオレンジ色のマリーゴールドを祭壇に飾る

・祭壇は派手で仰々しい

・メキシコのお話

 

ということです。

この映画の製作者が『リメンバー・ミー』を真似したのかはわかりません。

でも公開年は
『リメンバー・ミー』が2017年

『ビッグ ウィッシュ』が2019年

なので、そう思われてしまっても仕方がないかもしれませんね。

 

でも“年に1度の『死者の日』”というのは、日本でいったら「お盆」にあたるでしょうし

“亡くなった人はガイコツ姿”というのは、日本でいったら「幽霊といったら足を描かない」にあたるような、メキシコの常識なのだとすれば

それを「真似した」と思われてはちょっと違うような気がします。

 

こういった設定は似ていますが、物語はまったく別ものです。

細かい設定もちゃんとなされていて納得のいくよく出来たストーリーで楽しめます。

 

たとえば、本来だったら嫌われる死神が戻ってきたときに皆に歓迎され、それに感激した死神は街に”砂時計”を残していきます。

その砂時計により死者が1日だけこの世に戻ってこれることになったといいます。

死んだ人なら誰にでも会える、その方法は祭壇を作ってあげることといった設定など、細かい設定がいろいろあり楽しいです。

 

それに映像もとてもキレイです。

色の組合せが素敵でそのまま絵本にしても♪

といったシーンがいくつも出てきます。

映画『リメンバー・ミー』感想☆映像がとってもキレイ!歌もいい☆

 

『ハリーポッター』の真似?

私が気になったのは、戦いのシーンでお互い手のひらを相手にかざして、手のひらから光線を出し、その光線がぶつかり合い、せめぎあいをしている

といった点です。

これは、『ハリーポッター』のハリーとヴォルデモートの戦いのシーンと同じです。

この手のひら光線の戦闘シーンを見ると、私は『ハリーポッター』を思い出してしまうのです。『ハリーポッター』は杖同士でしたけど。

 

『リメンバー・ミー』との比較

『リメンバー・ミー』は主人公の男の子=ミゲルが家族から音楽をやることを大反対され、それに疑問を持ち反抗しました。家族は力ずくでミゲルの「音楽好き」の感情を抑え込もうとしました。

最終的にはミゲルは音楽をやることを許され、一家は音楽禁止から音楽大好き一家に変わり平和が訪れます。

『ビッグ ウィッシュ』は主人公の女の子=サルマは両親を知らずにすごし、両親を知ることを徹底的に阻止され、疑問を持ち反抗します。育ての親である“ばあば”も力ずくでサルマの気持ちを閉じ込めようとします。結果、サルマの気持ちは抑えられずに爆発し、周囲も危険に巻き込んで傷つけてしまいます。

最終的には“ばあば”が「隠し通したことは悪かった」と謝罪し、事実を知ったサルマもなぜ“ばあば”が隠したのか理解し仲直りします。

この点は非常に似ていると感じました。
この主題のように、子どもが幼い頃は隠し通せたものも、子どもが成長し理解できる年頃になったら真実をおしえてあげるかどうか、親の悩みどころだと思います。

すべて真実を話すことが正しい

とは思いませんが、おしえてあげるべきことはちゃんとおしえてあげることも大事ですね。

同じメキシコの死者の日をあつかった物語でも、どちらも面白いストーリーですし、映像もキレイですし、どちらもお薦めです♪