『愉楽にて』林真理子著〈さすがの得意分野!しかしラストが・・・〉

林真理子さんは、エッセイが好きで長いことファンです。

昔のエッセイによると、ファンの子が原宿のおうちへ突然訪問することもあり、留守のときは、秘書のハタケヤマ氏が対応し、在宅の場合は林さんが出てくださると書かれていました。

たまたまある職場で同じく林さんのファンでエッセイも読んでいて自宅訪問したかったという女性がひとりいて、意気投合し、出かけたのです。

突然訪問するほうがいいということになり、アポなしで自宅前まで行き、ピンポンを鳴らしました。するとハタケヤマ氏が出て「林さんはどこどこへ出かけていて留守です」とお応えになりました。昔は出かけ先もおしえてくれたんですよね~。

私たちはすっかり舞い上がって「キャー、ハタケヤマ氏だわっ、エッセイのとおりだね~」なんて言い合ってそれで満足して帰ったものです。



林真理子さんのエッセイはとても読みやすくおもしろく、ジャンル的にも私は興味深く読ませていただいております。繰り返し繰り返し、ダイエットのネタはつきず、いつか終わる日があるのだろうかと思ってしまうのですが、これがおもしろいので、終わらなくてもいいとさえ思ってしまいます。

いつだったか、リブロでサイン会があると知り、初めてサイン会というものに行ってみました。そこで驚いたのは、サインを求めるファンの長い行列はわかるのですが、ほとんどの人がプレゼントを持参して手渡しているんです。私は手ぶらで行ってしまって、単行本を買うのだって「出費だな~」と思っていたくらいだったのですが、私以外の方は本の何倍もの値段のお土産を渡せていることに満足といった感じで、「さすが売れっ子の作家は違う」と感じました。

本をあまり買わないようにしている私ですが、林真理子さんのエッセイ本は文庫本で何冊か持っています。小説の単行本で購入したのはサイン会のときが初めてでした。それでファンといえるのかと怒られそうですが、売れっ子作家の小説本は必ず図書館で借りられますし、一度読むとまた繰り返し何度も開くということがないので、手元に置く必要性を感じないからです。

私は林さんのエッセイのファンではあるし、小説家としての林さんもファンなのですが、どうも小説自体は以前から消化不良でした。それが林さんの小説本を持っていないということにもつながるのですが。

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本書「愉楽にて」を知ったのは、テレビのコメンテーターが「林真理子さんの『愉楽にて』を読みました。セレブな世界が描かれていて、なかなかすごかったです」
といったようなことを言っているのを聞いたからです。

「そんな新刊本が出ていたのか」
と出遅れた感がして、すぐに図書館で予約しました。しかしわりかし早めに回ってきました。

「西郷どん」はNHK大河ドラマの原作本でもあったので、予約がいっぱいでした。それにドラマが始まるやいなや「事実と随分食い違いがある」と歴史学者が言っているのを知り読むのを躊躇し、まだ読んでいません。

林真理子さんのエッセイにはセレブな方のお話もよく登場します。林さん自身、セレブだからそのお仲間も当然そうなります。なので「愉楽にて」は林さんの得意分野だと期待して読みました。

話の中には「あの人がモデルかな」と思われる人や、林さん自身の体験談かなと思われるエピソードもあり、やはりお得意分野だと感じました。

登場人物・田口と母の関係、豆孝やファリンとはどうなるのか、久坂とファリンは?などついつい先の展開を知りたくなり読み進みます。

ファリンの怪しさは少しミステリのようです。おもしろいです。

しかし最後、収束するにはページが足りないのではとイヤな予感が的中。ラストがとってつけたような突然の終り方。「ええー、これで終り?!」という感想です。

日経新聞の連載ものだったようですので、そういった関係でしょうか。

他の人はどういう感想なのかと思いネット検索してみると、ラストの終り方に不満を持っている人や、ラストが理解できないので理解できた人はおしえてほしいといった人の書き込みがあり、私だけじゃなかったんだと思いました。

そう、林さんの小説は、始まりや途中はおもしろく読み進められるのですが、ラストががっかりするのです。またかと思いました。

有名人気漫画家さんでも、そういう人います。
ラストってあまり重要じゃないのかなぁ~と思うこのごろ。
そういう手法なのでしょうか。

読み終わった後、イヤな気持ちがする、「イヤミス」という分野も出来たことだし、ラストがガッカリするという分野の小説やマンガもアリなのかも。

いまや直木賞審査員の林さんだから、誰もなにもいわないでしょうし、素人がなにを言うかと怒られそうですが、もしこの作品などが、直木賞候補として審査されたら、ラストはどう評価されるでしょうか。

 

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