スピルバーグ監督映画『ウエスト・サイド・ストーリー』カメラワークに注目!

ミュージカルでお馴染みの『ウエスト・サイド・ストーリー』。

1961年10月18日公開の映画版は観たことがありますが、スピルバーグ監督の作品はどこがどう違うのか?!

気になって映画館で観てきました♪

 

細かな変更

不良のたまり場、トニーが出所後アルバイトをする店の主人が女性になっていたり

マリアの仕事がブライダルショップではなく清掃員になっていたり

トニーがマリアの部屋に来たときにアニタにも遭遇してしまうなど

ストーリーの”多少の変化”はありましたが、おおまかなところは変化はないように感じました。

 

しかしスピルバーグ監督が

「5年もの歳月をかけて脚本を作った」

とインタビューに答えていたので入念に練られているのかもしれません。

 

その結果、なんの違和感もなく”多少の変化”を受け入れられ、「観て良かったー!」と感動できる作品になっているのでしょう。

 

広大な荒れた街

約60年もの時を経てリメイクされた作品ですし、スピルバーグ監督ですので近代的な街中になるのかと思いきや、舞台は昔っぽい荒れ果てたニューヨーク・ウエストサイド。

まずこのような広大なすさんだ街を作り出したことにスケールの大きさを感じました。

 

 

カメラワーク

一番違いを感じたのは、カメラワーク!

素人でもわかるくらい効果的な画面の映し方。

引き込まれます!

ここが名匠たるゆえんなのでしょう。

 

トニーとリフの喧嘩シーンは手に汗握ります。

大勢でのダンスシーンも目が離せません。

ラストのシーンもギリギリをせめています。

 

すべて才能あふれる監督のカメラワークの素晴らしさで魅力ある作品になっていると感じました。

ぜひカメラワークに注目して鑑賞してみて下さい☆

 

店の主人

トニーが出所後アルバイトをする店の主人は1961年版はドックという名のおじさんでした。

なのでドックの店と呼ばれていました。

本作はおばあちゃん。

夫婦で営んでいた雑貨屋のだんなさんが亡くなって未亡人として女手一つで経営しているという設定っぽいです。

この女優さん、ただものではない!と感じ、鑑賞後調べてみると

ヴァレンティナ役(リタ・モレノ)
プエルトリコ移民と白人との間に生まれ、アメリカで商店を営む老齢の女性。
トニーを雇い、更生の手助けにと考えている。シャークスとジェッツの両方から一目置かれている。

 

2022年2月現在90歳!

プエルトリコ出身の女優、歌手、ダンサー。

史上16人しかいないアカデミー賞、トニー賞、グラミー賞、エミー賞の4賞受賞者。

1961年版『ウエスト・サイド物語』では、アニータを演じて

アカデミー助演女優賞 受賞

ゴールデングローブ賞 助演女優賞 受賞

を受賞しているとのこと。

 

こういう女優さんがいたらすかさず起用するところがさすがですね!

 

マリアは3万人から!

耳に残る美しい歌声を披露してくれたマニア役。

歌が抜群にうまい上に歌声がキレイ!

うっとりするような、ずっと聴いていたいような恵まれた歌声の持ち主は、本作がスクリーンデビューのレイチェル・ゼグラー。

高校生のときに受けたオーディションで3万人から選ばれた逸材

2022年第79回ゴールデングローブ賞で主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞。

ディズニーによる実写版『白雪姫』で主人公の白雪姫に決定しているそう。

 

滅多に聴けない美しいソプラノです!!

 

ぜひマリアの歌声にも注目してみてください☆

 

 

ウエスト・サイド・ストーリーとは?

1957年に初演のブロードウェイ・ミュージカルです。映画はそのミュージカルを元につくられています。

シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』に着想を得たというだけあって、ストーリー展開は似ています。

『ロミオとジュリエット』は家柄が敵同士でした。『ウエスト・サイド・ストーリー』は敵対している不良グループのお話です。そして悲劇的な最後となります。

 

 

日本公演は

日本では、1964年日生劇場でブロードウェイのキャストによる公演が行われました。

その後、宝塚や劇団四季その他などにより2020年春まで上演され、その後コロナの影響で舞台公演は中止されています。

このように何度も何度も上演されている大人気ミュージカルです。

 

 

魅力的な楽曲

なんといっても素敵な楽曲が魅力的ですね♪

楽曲『Tonight』の

トゥナイ~、トゥナイ~♪

のフレーズは観たことがない人でも

「聞いたことがある!」

と思うのではないでしょうか。

 

 

 

 

リメイク

映画『ウエスト・サイド・ストーリー』は1961年に日本とアメリカで公開されています。

1961年版はいまでも映像は観ることができます。

50年以上前の映像ですが

明るい色の衣装だったり、男女の組み合わせも同系色の衣装でまとめたり、デザインも素敵です。

登場人物

トニー
主人公

 

マリア
トニーの恋人

 

リフ
ジェット団リーダー

 

ベルナルド
シャーク団リーダー
マリアの兄

 

アニタ
マリアの友人
ベルナルドの恋人

 

チノ
シャーク団
マリアの元婚約者

 

ヴァレンティナ
トニーが働く店の主人

 

※シャーク団=シャークス
※ジェット団=ジェッツ

 

ネタバレ注意!

あらすじ

ニューヨークのウエスト・サイド。

 

不良グループのシャーク団とジェット団は縄張りをめぐっていつも敵対心を燃やして対立していた。

 

どうにかして決着をつけたいジェット団のリーダー・リフは、ケンカの強い兄貴分のトニーをもう一度仲間に入れたいという。

仲間たちは「もう抜けたヤツだから関係ない」と反対するが、リフは「トニーがいれば、きっとシャーク団をやっつけられる」と説得し仲間は承諾する。

そして今夜体育館で行なわれるダンスパーティに行き、参加しているはずのシャーク団のリーダー・ベルナルドに決闘を申し込むことになった。

リフはトニーが働いている店に行き、トニーに「今夜のダンスパーティに来て欲しい」と懇願する。最初はしぶっていたトニーだったが、リフの熱意に動かされダンスパーティに行くことにした。

夜の10時。パーティ会場でトニーはマリアに出会いひと目ぼれ。マリアにはチノという婚約者がいたがマリアもトニーにひと目ぼれした。

急接近するも、マリアの兄ベルナルドに「マリア、もう帰るように」と引き離され、マリアはチノと一緒に帰る。

 

トニーはさっき知ったばかりのマリアの名前を叫びながら、裏路地でマリアを探し回る。するとマリアが聞きつけて上階の家から出てきてトニーを見下ろす。トニーは駆け上がり、二人は気持ちを確かめ合う。

 

夜中。シャーク団とジェット団の決闘が始まった。

リフはベルナルドに刺され、ケンカを止めに入ったトニーは、ベルナルドを刺してしまった。

 

パトカーのサイレンが鳴り、亡くなったベルナルドとリフを残し全員立ち去る。

 

マリアのところへチノがやってきてトニーが兄・ベルナルドを刺し殺したと告げる。

マリアがショックを受けているとトニーが帰ってきた。マリアはトニーを責める。トニーはマリアに事情を話した。そして警察へ行き自首すると言う。しかしマリアは反対して引き留める。

アニタが帰ってきた。いくら呼んでもマリアは部屋から出てこない。しびれを切らしてドアを開けると、マリアとトニーが顔をつきあわせていた。アニタはマリアを責める。

 

アニタはヴァレンティナの店へ行き「マリアはチノに殺された」と嘘を言って立ち去る。

 

ヴァレンティナはかくまっていたトニーにこのことを伝える。するとトニーは大混乱しながらチノの名を叫び探し回る。すると死んだはずのマリアの姿が見えた。トニーは夢中になり無防備で駆け寄ろうとした。が、そのときチノに撃たれてしまう。駆け寄ったマリアはトニーを抱き起こす。しかしトニーは命尽きる。

 

映画
『ウエスト・サイド・ストーリー』
2022年2月11日
公開

監督
スティーヴン・スピルバーグ

配給
20世紀スタジオ
ウォルト・ディズニー・ジャパン