映画『ラーゲリより愛を込めて』原作感想・映画の見どころは?!

原作は実話を元にしたノンフィクション小説『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』。1989年辺見じゅん作。

主人公の山本幡多男は実在の人物です。1908年生まれ、45歳の若さで病気のためシベリアの収容所内で死去しました。

自分の母親と妻のモジミと子供達に残した遺書。文字が書かれた紙はスパイ行為とみなされ没収されてしまいます。メガネの縁にくくりつけた小さな紙切れさえ見つかってしまったといいます。

山本の残した遺書は4通。これを同志6名が驚くべき方法で日本に持ち帰り妻の遺族の元へ届けます。前代未聞の方法。これがこのお話の肝です!

緻密な取材力に定評のある筆者が書かれた内容は目を背けたくなるような過酷で非情な収容所(ラーゲリ)での日常です。

「なんとひどいことを!」と思ってしまいますが、日本軍もどこかで同じようなことをしていたのかもしれないとも思ってしまいます。

山崎豊子作の小説「不毛地帯」を彷彿とさせますが、本書のほうが読みやすかったです。「不毛地帯」も囚人としてシベリアに送られた軍人の話でした。

 

主人公の山本幡多男はソ連に魅せられ独学でロシア語を学び通訳をするまでになります。しかし終戦後は戦犯としてシベリアへ強制的に送られ、過酷な労働を課せられます。山本は厳しい監視の目を盗んでのほんのひととき心安まる句会を開く中心メンバーとなって輪を広げていきます。

 

映画の見どころ

この過酷な収容所(ラーゲリ)での日常を映画ではどう表現するのか?!

日に日に衰える山本の姿をどう演じるのか?!

残された子供と姑との暮らしを支えるためにけなげに生きるモジミは北川景子さんにピッタリの役どころ!

山本の遺書を必死に暗記する同志の姿。

無事に届けられたときの感動!

映像で見たくなる作品です!

 

キャスト

山本幡男:二宮和也
山本モジミ:北川景子
松田研三:松坂桃李
新谷健雄:中島健人(Sexy Zone)
相沢光男:桐谷健太
原幸彦:安田顕
山本顕一(壮年期):寺尾聰
奥野瑛太
金井勇太
中島歩
田辺桃子
佐久本宝
山時聡真
奥智哉
渡辺真起子
三浦誠己
山中崇
朝加真由美
酒向芳
市毛良枝

スタッフ

監督 :瀬々敬久
脚本 : 林民夫

映画
『ラーゲリより愛を込めて』
2022年12月9日公開予定