映画「室町無頼」見どころ、あらすじ、登場人物は?

『室町無頓』とは、いかにも‘’室町時代の無法者‘’の物語を期待させてくれるタイトルです。

鎌倉時代ではなく室町時代というのが、興味をひきますね。

あまり取り上げられてこなかった時代だからです。

鎌倉時代は武家政治の始まり。

織田信長から始まるとされる戦国時代。

徳川の江戸時代。

ドラマ、小説、漫画、映画、ゲームとよく見かける時代ですよね。

室町時代はというと、足利尊氏が有名ですが、あっという間に終わった時代というイメージ。徳政一揆は習ったような。

そうです、一揆が盛んに起こった時代ですね。

Wikipediaより

室町中期ごろ、商品経済の発達や農業生産の向上、惣結合の強化などに伴う社会情勢の変化により、当時の先進地域だった畿内において、民衆が連帯組織、一揆を形成して、支配者(幕府や守護など)へ政治的な要求を行うようになった。これを土一揆という

土一揆の「土」とは当時の農民や百姓のことを「土民」と称したことに因む。

次第に頻発していき、毎年のように見られるようになった。

土一揆の頻発は、幕府権力の弱体化をもたらしていった。

 

土一揆

(つちいっき/どいっき)とは、室町時代中期から後期にかけて発生した民衆の政治的要求活動をいう。

この混沌とする時代に実在した人物

蓮田 兵衛(はすだ ひょうえ)、骨皮 道賢らを描いた物語。

それが「室町無頓」です。

 

原作者

垣根涼介

この「室町無頓」を発表した7年後の「極楽征夷大将軍」で直木賞を受賞しました。

この作品も室町時代、足利尊氏を描いています。

 

 

主役

映画の主役は大泉洋演じる蓮田兵衛。

とのことですが小説の主人公は才蔵です。

 

 

才蔵

才蔵は17歳の青年。
父親は落ちぶれた浪人で村の使い走りなどをしてなんとか食いぶちをしのいでいました。

才蔵は12歳から山中で薪を集め天秤棒の両端にくくりつけ町で売るようになります。天秤棒は時に山の実を落とし川の魚を獲り遊び道具にもなりました。

近所の和尚からは読み書きや漢籍を教わりました。

15歳に父を亡くし孤児となりますが知り合いのつてで油売りの仕事につきます。

仕事の帰り、強盗に襲われ防御のため初めて天秤棒で人を殺してしまいます。後日その仲間がやってきて復讐されるかと思いきや天秤棒の腕を見込まれ土倉の用心棒にスカウトされます。

しかしその土倉は法妙坊暁信という悪党の金貸しが主でした。

ある日その土倉が強盗に襲われ7人中6人の用心棒が殺されますが、才蔵だけ連れ去られます。

それは土倉を襲った者たちの頭が、懸命に戦う才蔵を見込んで殺さずに仲間に引き入れようとしたためでした。

才蔵は持って生まれた運と負けん気でこの物語の最後まで生き延びます。

なので小説の主人公は才蔵といえるでしょう。

映画では蓮田兵衛役の大泉洋さんが主役ですので物語がどう描かれているのか、楽しみですね♪

 

 

そのほかの主な登場人物

蓮田兵衛(ひょうえ):大泉洋

室町時代中期。
徳政一揆の指導者。

人の懐に入るのがうまく、人望があり、度量のある、凄腕の武士。

 

骨皮道賢(ほねかわどうけん):堤真一

室町幕府側の傭兵。

もともと自身が悪党で300人もの無法者の頭でもあったため、そこに目をつけた幕府が取り締まりの役目を与えました。

本来は蓮田兵衛ら一揆を画策する者たちを逮捕するのが務め。

もちろんすこぶる腕も立ちます。

幕府側の働きをしているとみせつつ、蓮田兵衛の働きにも加担しているという二重の顔を持ちます。

骨皮という名字は皮革業を営んでいたとも骨と皮ばかりの痩せた見た目からきているともいわれているそうです。

 

芳王子(ほおうじ):松本若菜

高名な遊女。
武士だった父親と兄3人は殺され、母と京まで逃げ三条河原の乞食に成れ果てます。

母も亡くなり浮浪児となった芳王子はなりふり構わず飢えをしのぎますがとうとう空腹に耐えかね道端に倒れます。そこで葛城という遊女に拾われ母と慕い暮らします。やがて自分も遊女となる決心をします。すると葛城は突然姿を消します。「わしを探すな」との文を残して。

芳王子は骨皮道賢の女でしたが、蓮田兵衛の女となります。才蔵の初めての女ともなります。

 

唐埼の老人:柄本明

棒術の達人。
蓮田兵衛に10か月で「ものになる」よう依頼を受け、厳しく才蔵を鍛えます。
修行を終え戦いに出た才蔵は自分の成長ぶりに驚き、この老人に深く恩を感じます。

 

 

みどころ

✓ 才蔵の棒振り

棒振り武人の成長物語は珍しい。

六尺(約180㎝)もあって両端を薄鉄で覆われているこの武器をどのように使って敵を倒すのか。CGなどを使ってカッコよくみせてほしいです。

特に水車の羽根板に打ち込んだ無数の釘を天秤棒で打ち込むなど唐埼の老人のしごきのシーンは興味津々です。

 

✓ 土一揆の様子

物語後半のクライマックス。
千、万の一揆勢のぶつかり合い。

 

✓ 室町時代の町

どういうセットで描いているのか。

 

✓ 蓮田兵衛と骨皮道賢

人気も実力もある俳優同士がどう絡むのか。一部映画評論では“友情”と表していましたが、そんなふうに描かれているのか?

 

 

あらすじ

室町時代中期。
多くの人々が飢えに苦しむ中、治安が乱れ、なんとか生き延びようと誰もが必死だった。

幼い頃から天秤棒を担いで物を売り、食い繋いできた才蔵は棒振りを自己流で剣術とするほどの腕となっていた。

その腕を買われ叡山を後ろ楯に持つ金貸しの法妙坊暁信の土倉の用心棒に雇われる。

その土倉が強盗に襲われ7人中6人が殺され才蔵だけが連れ去られる。

才蔵を連れ去ったのは幕府の傭兵・骨皮道賢だった。殺せば殺せたが仲間にしようと連れ帰った。しかし才蔵の気性を考え蓮田兵衛に預ける。

蓮田兵衛は才蔵の荒削りな棒振り術の伸びシロを見抜き、棒術の達人・唐埼の老人に鍛えてくれるよう、金も渡し預ける。

“際(きわ)”を目指し過酷なしごきを耐え抜いた才蔵は蓮田兵衛のもとに戻り、一揆の計画を聞く。

1462年9月11日
蓮田兵衛のもと、一揆が決行される。

表向きは幕府側の骨皮道賢と、一揆の首謀者・蓮田兵衛が決する。

一揆は何日にも渡った。

10月30日
凄腕同士だがすでに双方とも疲労困憊、兵衛は大腿を射ぬかれ歩くのも困難になっていた。

兵衛は
「市中警護の役割ならば一揆首謀者の首をあげねば面目が立たぬであろう」
と道賢に自分と戦うようけしかける。

道賢は兵衛の顔に似た首を拾ってきたから身代わりにするというも兵衛は聞き入れない。

結果、兵衛は道賢に首をはねられ三条河原にさらされた。

その後道賢も同じ運命となる。

死ぬつもりでいた才蔵は生き残り芳王子と再会する。

 

まとめ

小説と映画と両方楽しめそうな作品です♪

『室町無頓』
2025年1月17日公開