映画『メリダとおそろしの森』ヴァイキングと魔女

1000年前のスコットランド。

ヴァイキングの王女メリダが婿とり問題で反発し、魔女の力を借りて解決するどころか思いもがけない展開にハラハラさせられ、なんとか家族の愛と国の平和を取り戻すファンタジーアニメです。

 

原題

『Brave』

直訳すると
「勇敢」
です。

たしかに、これだけのタイトルですと、日本では通用しないかもしれないですね。

“勇敢な女王のお話”

といったところでしょうか。

 

主な登場人物

メリダ
主役
ダンブロッホ王国王女

 

エリニア王妃
メリダの母親

 

ファーガス王
メリダの父親

 

三つ子
メリダの弟たち

 

森の魔女
おばあさん

 

設定

舞台は1000年前のスコットランドです。

日本でいったら平安時代ですから、かなり古い時代設定です。

 

 

ヴァイキング

西ヨーロッパでは800年から1050年にわたってヴァイキング時代が約250年間続いたといいます。

各地へ侵略し、戦いでもって略奪、征服してきた人たちです。

腕っぷしが強く、体格も大柄でガッチリしていることが良しとされ、今で言う体育系。

そんなイメージです。

 

 

母親の厳しいしつけ

メリダは成長するにつれ、母親から厳しいしつけを受けるようになります。

それは女王にふさわしい振る舞いのため。

どちらかというと奔放で自由に飛び回っていたいメリダには苦痛でしかありません。

やがてそれが母親に対する大反発につながっていきます。

 

 

メリダの婿選び

ダンブロッホ王国はヴァイキングの国です。

メリダが年頃になり、3つの国から結婚話がもちあがります。

そして3つの国のお婿さん候補が父親と家来をひきつれて、同時にダンブロッホ王国にやってきたのでした。

3つの国もヴァイキングの国ですので、荒くれ者の集まりです。

「我こそが婿にふさわしい」

と腕っぷし自慢が始まります。

どの武器で勝負するかは、メリダが決めることになっていました。

メリダは自分が矢が得意ということもあって「矢」の勝負にしました。

ところが3人の婿候補たちは、どれもイマイチです。

そこでメリダが矢を放つと見事に的中。

3人の婿候補たちはいたたまれません。

それを見ていた母親はメリダをきつく注意します。

「プライドを傷つけてしまって、これでは戦争にもなりかねないのですよ!

女王としての自覚を持ちなさい」と。

メリダは自由がなくなることをおそれて、結婚したくありません。

母親は国の平和のためにメリダに3人のうちひとりを選び結婚するようにいいつけます。

メリダの気持ちは一切無視です。

堪忍袋の緒が切れ、メリダは城を抜け出します。

 

 

鬼火

青色の、空中に浮かんで燃えている火のことです。

この映画に出てくる鬼火は、魔女のところへつれていってくれる案内係になっています。

鬼火が現われて、たどっていくと魔女のすみかに到着します。

 

 

魔女

鬼火が案内してたどり着いた家にいたおばあさんは魔女でした。

自分のことを「木彫りの彫刻家」と呼び、家中に作品が並んでいます。

魔女であることを最初は隠しますが、金目のものを提示すると簡単に正体を明かします。

メリダも自分が身につけていたペンダントを差し出し、魔法をひとつお願いします。

 

鬼火や魔女の出現も1000年前のヴァイキングの国だったら、あり得ると思ってしまいますね。

 

 

メリダは魔女に魔法をひとつお願いすると、ドーナツを作ってもらいます。

これを食べさせると母親の「結婚しなさい」という考えが変わると思い込んでいたメリダはお茶とともに母親に差し出します。

自分のために作ってくれたということに感激した母親は喜んで食べます。

ところがすぐに具合が悪くなってしまいます。

でもメリダは動じません。

そして天井まで届くくらいの大きな熊に変身してしまいますが、メリダは驚くもののあまり気にしません。

熊というものをあまりわかっていないのではと思ってしまうくらいですが、父親がかつて大熊に襲われて足をなくしているくらいの大事故にあっているのですから、怖ろしさはわかっているハズなのに。

 

私だったら「どうしよう、わたしのせいで」とオロオロしてしまいます。

う~ん。ここのところが共感できないですねー。

 

母親は熊に変身して、自分は言葉をしゃべれなくなりますが、メリダの言っていることはわかります。

体が大きく変化しているので、バランス感覚がわからなくなっていて、歩くとアチコチぶつかるというところはおもしろいですね。

 

そして時間がたつうちに、人間の気持ちを忘れてしまう時間が長くなっていくという表現も世界共通なんだなーと思いました。

中島敦の『山月記』でも虎に変身してしまった人間がだんだん人間だったことを忘れる時間が増え、やがて本当の虎になってしまうと自覚していたとありますから。

 

それにしても熊になってしまうという設定はおもしろいです。

 

 

大島優子さん

メリダ王女はピクサーで初の女性主人公です。

大島優子さんは初の映画吹替えです。

2018年12月公開の「シュガー・ラッシュ:オンライン」でディズニーのお姫様が集合しているシーンがありますので、そこでもメリダ王女として声優出演しています。

 

映画
ピクサーアニメ
『メリダとおそろしの森』
2012年日本公開