映画『モモ』レトロなファンタジーがおしえてくれるものとは?

ミヒャエル・エンデの児童文学『モモ』が原作の同名ファンタジー映画です。

エンデの『はてしない物語』が原作となった映画『ネバーエンディング・ストーリー』と共に日本で大人気となりました。

原作は『モモ』が1973年に完成、『はてしない物語』は1979年に完成しているので『モモ』の方が先です。

映画は『モモ』が1986年ドイツ公開、1988年日本公開。

『ネバーエンディング・ストーリー』は1984年西ドイツ・アメリカ公開、1985年日本公開なので、『モモ』が後です。

当時大々的に宣伝をしていましたね。

映画がなかったら原作の存在は知らなかったです。

 

私も『ネバーエンディング・ストーリー』が先でその勢いが途切れることなく『モモ』のヒットにつながった印象です。

当時は流行にのって映画も観ましたし原作も読みました。図書館で予約してもなかなか回ってこなかったのを覚えています。

 

 

原作『モモ』は約30カ国以上で翻訳された世界的大人気の物語です。

「時間とはなにか?」「命とはなにか?」をファンタジーでわかりやすく表現しています。

 

 

忙しい毎日を送っている大人にとっても「モモ」に触れることで、ふと立ち止まる機会を与えてもらえる、そんな作品です。

 

 

改めまして映画『モモ』ですが、1986年頃に制作ということですので、今から34年も昔になります。

 

レトロっぽさ満載の映画ですが、それを楽しみたい人にはおすすめです。

レトロなファンタジーといったところです。

 

 

主な登場人物

モモ
主人公の女の子。
みなしご。
円形劇場の廃墟に住んでいる。

 

ベッポ
モモの友人。
道路清掃人。
若くはない。

 

ジジ
モモの友人。
若いガイド。
のちにタレント。

 

マイスター・ホラ
時間の国の主。
時間をつかさどる。

 

カシオペイア
亀。
甲羅に文字が浮かび上がって会話をする。
マイスター・ホラの居場所へ案内してくれる。

 

灰色の男たち
時間貯蓄銀行の派遣員。
他人の時間を盗んで生きている。
他人の時間の花を葉巻にして吸っているので葉巻がなくなると消滅してしまう。

 

 

あらすじ

主人公の女の子・モモはあるときからひとりで円形劇場の廃墟に住んでいた。

道路清掃人のベッポがモモを見つけ、友だちになる。

ガイドでタレントを夢みているジジも友だちになる。

モモは特別なにもしなくても、皆モモの前に行くと勝手に思いのたけを打ち明けて勝手に解決して幸福な気持ちになった。街の人は皆モモのことが大好きだった。

 

この街の人たちは、金持ちではないけれど、それぞれがそれなりに働いて楽しくくらしていた。

 

そんな中、全身灰色づくしの男がやってきた。そして時間の大切さ、「時は金なり」をとうとうと語った。すると無駄な時間をすごしていることに気がついた街の人たちは、わずかな時間も惜しんで生活するようになり、ギスギスした雰囲気が街に漂うになった。

 

モモは「それではいけない」とひとりひとり会って話すウチに、また街の人にゆとりのある生活が戻ってきた。

しかし灰色の男たちは自分たちの計画を邪魔されたと憤慨して、モモをどうにかしなければと、まずある灰色の男がモモの元へ派遣された。

 

その男は任務を失敗したうえに、モモと接しているウチに、自分の正体を打ち明けてしまった。それは絶対に秘密事項だったので話し終えてから「今のことはすべて忘れてくれ」と言い残し慌ててその場を去った。

 

ある日ベッポが夜中までの仕事を終え休憩していたら、灰色の男たちが集会を始めるのが見えた。

 

その集会では、いつかモモに正体をしゃべってしまった灰色の男の裁判をやっていた。そしてその男はモモの居場所を報告させられたうえに罰として消滅させられてしまった。

 

灰色の男たちはモモの住む円形劇場の廃墟まで一斉に車で向かった。ベッポもモモに知らせなくてはと大急ぎで自転車で駆けつけたが、車にはかなわない。ベッポが到着したときにはすでにモモの姿はなく、モモは連れていかれてしまったんだと途方にくれるベッポだった。

 

モモはすんでのところで移動していた。

 

それはモモの前に1匹の亀がやってきて甲羅に「ついてきなさい」と文字を浮かび上がらせ、モモを誘導していた。

モモは亀のいうとおりについて行った。その歩くスピードは亀の後を行くため非常に遅い歩みだったが、不思議なことに街行く人たちはモモと亀の存在が見えないかのごとく誰も気にする者はいなかった。別の時空空間を移動しているかのようだった。

 

亀はモモを時間の国の主で時間をつかさどるマイスター・ホラのもとへつれて行った。

 

モモはマイスター・ホラと対面する。

 

モモは時間が生まれるところを見せてもらった。

 

そしてモモはマイスター・ホラの元を去って戻ってきた。

 

モモが住んでいた円形劇場の廃墟の部屋はめちゃめちゃに荒らされていた。灰色の男たちの仕業だ。

 

モモは「自分はいったいどのくらいいなかったんだろう」と思った。

 

1年と1日だった。

 

その間、ベッポはモモを救おうと警察に灰色の男たちのことなどを話して狂っていると思われ病院へ入れられていた。

 

ジジはタレントになって有名になっていた。

 

街は時間を無駄にしたくない人だらけで殺気だっていた。

 

モモは街の人たちを救うべく再びマイスター・ホラの元へ向かった。

 

その後ろから灰色の男たちが大勢ついてきていた。

男たちは時間をつかさどるマイスター・ホラに会って自分たちが時間を支配できるようにしたいと考えていたのだ。

 

映画
『モモ』
1988年
日本公開