『はだしのゲン』これからもずっと、大人もぜひ!
『はだしのゲン』というマンガのタイトルは知っていましたが、ずっと読むチャンスがなく今さらですが、完読しました。
『はだしのゲン』は広島の原爆体験を元にしたマンガです。少年ジャンプに1973年から1987年まで掲載されていたようです。
社会問題教育の地域格差
おそらく広島出身の人は原爆についてなんらかの教育を受けてきたのではないでしょうか。こんな言い方になってしまうのは、そのことを聞ける広島出身の知人が今は近くにいないからです。なので推測になってしまいます。
また沖縄が戦場になったことについても沖縄県出身の人は教わる機会があったのではないでしょうか。
部落差別問題も地域で随分認識が違います。私の知人で長野県出身の人の話では、地域名と名字で差別されているかわかるといいます。西日本側に多いようです。
北海道はアイヌ差別問題があります。
このように地域によって社会問題教育の差があると思います。自分が生まれ育った地域にない社会問題は深刻にとらえずにすごしてしまいます。目にしないからです。わからないからです。
その地域とは関係がなくても、とりあげて教えてくれる教師や教育機関に出会わなければ、知らずに大人になってしまいます。
私の生まれ育った地域は、部落や人種の差別問題もなく、戦争の被害を直接受けた地域でもありませんでした。そのせいか、学校の道徳の授業でもこういった問題はとりあげませんでしたし、教わる機会もありませんでした。
ですので本やメディアで知ったときには、衝撃がありました。
原爆や戦争の歴史に関しては
とくに原爆や戦争の歴史に関しては、日本人として最も知っておくべきことのひとつだと思います。それは将来、二度と戦争を起こさないためにも、忘れてはしまって繰り返してはいけないことだからです。
原爆や戦争の悲惨さを具体的にマンガをとおして知ることができるのが『はだしのゲン』です。アニメやドラマにもなったようですが、それらは見ていないのでわかりません。マンガはぜひおすすめしたい!と今回思いました。
『はだしのゲン』は大人むけ
といっても『はだしのゲン』は道ばたの石を人にぶつけたり、大人が子どもを殴ったり、ピストルで人を撃ったりといった今ではアウトな表現もあります。
正直、子どもがうのみにしてしまったらマズイのではと気になる箇所もあります。
また『はだしのゲン』に出てくる歴史的な事柄が必ずしも正しいとは限りません。それはマンガですので、おもしろくするためにおおげさにしたり、創作したりしているので、まともに受け止めずに流して読まなければならないところもあります。ある程度、分別がついてから読んだ方がよいかもしれません。
なので、大人にこそぜひ読んでほしい、大人向けのマンガだと思いました。
これから読む人のために
主人公・ゲンはかなりのお人好しで、人につくして自分が損をする場面もありますが、それで救われている面もあります。つらい戦争体験を乗り越えて将来進むべき道が決まります。
次から次へと問題が起きるため、次が読みたくてなかなかやめられない、読み物としてもおもしろいマンガです。