林真理子著『女はいつも四十雀』さすがの富裕層☆

林真理子さんのエッセイを読んでいて一番興味深いのは、リッチな感覚。

売れっ子作家さんで、プライベートを赤裸々にエッセイに書いてくれるのはありがたいです。

 

沢村貞子さんの“食のエッセイ”もとてもおもしろく、売れっ子女優だった沢村さんがどのような食生活だったのか、どのように家事をこなして女優業と両立していたのか垣間見られて興味深く読んだものです。

 

沢村貞子さんは女優としても好きでした。当時、本も書いていると知って読み始めましたので、ご存命中から読んでいました。文章がうまいのです。それが2019年からEテレで沢村貞子さんの“食のエッセイ”を元にした番組が放送されていて驚きました。やはり番組にするくらいだから“多くの人の支持があった”エッセイだったのだと感慨深かったです。

 

林真理子さんのエッセイも将来もずっと残っていく作品だと思っています。

 

それは文章がうまいのはもちろん、そのときの感情や気持ちをストレートに書いている、本音だからおもしろいのです。

その本音が読み手と違ってもいいのです。

違うからといって読むのをやめるというのは、もったいない。

リッチな生活を送っているけれど、ドジな面もさらけ出すし、愚痴も言う。

一方的な上からの物言いで説教じみたエッセイだったら、読むのをやめてしまっているでしょう。

 

本書はSTORYという雑誌に掲載されていたエッセイをまとめた本ですから、エッセイの対象者は10代、20代の若者ではなく、40代以降の女性ということ。

 

著者曰く、多くの女性の本音は「お金持ちと結婚して、素敵なだんなさんと子どもがいて何不自由ない暮らしをするのが理想」と考えているということが前提でエッセイは書かれています。

 

なので、大人の女性のたしなみについて著者が考えている常識も述べています。

 

たとえば、女性同士でご飯を食べたあとの支払いについて。

ひとりひとりがワリカンで払おうとしてレジでもめるのはみっともないとのこと。

なので多くの場面で林さんは支払ってあげるのだそう。

自分が年上だったら当たり前のことだといいます。

 

まあ、それは林さんがリッチだからいえるんですよね。

 

私はワリカン、あるいは自分の食べた分を払うといった林さんがイヤがる多くの女性の部類です。

ただレジでもめるのは、お店に迷惑がかかるので、席にいるときにどうするか話はつけておきます。

仕事がらみや、あきらかに自分がうんと年上だったり、食事によっては自分がおごるときもありますが、もし自分が理由もわからずおごられたら、ものすごく気を遣ってしまって恐縮してしまう。

だからその辺は見極めるようにしています。

仕事関係でおごられるときは「経費で落とすだろうし」と思って有り難くいただきます。

 

もし自分が金持ちだったら、おごってあげたくなるでしょうね。

そのほうが“良いことをした”的な気持ちになって気分が良いかも。

 

 

林さんの手土産の悩みについても、金額的にリッチな人の悩みで私とはケタが違いますが、気持ちはよくわかります。

お金持ちだったとしても、中には根っからケチな人もいるので、林さんの太っ腹な支払いぶりは好感が持てます。

 

そして本書で秀逸な表現だと思ったのは、 

雑誌でよく「素敵な年のとり方」の特集を組むが、素敵に年をとっている人なんて見たことがない。

中年の頃はあんなに美しくてカッコよかった方たちが、年齢と共にいらないものを次第に身につけ、必要と思われるものを次々と脱ぎ捨ていくさまを見るのは悲しい

 なんと的を射た表現でしょうか。

さすがです。