映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』を観る前に
映画館で初めて予告が流れたときに釘付けとなった映像。
「これはなんだ?!」
という第一印象でした。
やはり本人映像ほど引きつけられるものはありません。
それをどのように編集されているかは気になります。
目次
いきさつ
この映像が映画になったいきさつは
TBSだけが保管する、世界にただひとつの貴重な討論会の映像を大きなスクリーンで観てもらいたいという思いから実現した映画
とのこと。
舞台
1969年5月13日
東大駒場キャンパス
900番教室
1000人を超える学生と
三島由紀夫
との討論会
つまり大勢の学生と作家さんとの討論会なわけですが、今では決して実現不可能な対決です。
まず三島由紀夫という存在。
俳優、映画監督、舞台演出家、ノーベル文学賞の候補になるくらいの世界的作家
という当時のスーパースター的な人。日本主義、天皇主義。
対するは
東大全共闘。
東京大学の学生で構成された全学共闘会議(全共闘)。
全共闘は各大学で結成され学生運動を展開しました。
日本の学生運動
日本の学生運動は大正時代くらいから始まり、戦後1960年代に最も盛り上がりをみせ
反戦
学費値上げ反対
反差別
自主権要求
を主張。
それをデモや授業ボイコット、バリケードによる建物占拠などの手段で行なわれました。
なぜそこまでするのか?!
と思ってしまいますが、時代なのでしょう。
過激な東大全共闘の学生
対
三島由起夫
これはただの学生対作家の討論ではないわけです。
構成
この貴重な映像を観るだけでも十分に興味がありますが、より面白くするために
・作家・平野啓一郎
「三島由紀夫の再来とも言うべき神童」というキャッチコピーでデビュー
・教授・内田樹
・社会学者・小熊英二
・作家・瀬戸内寂聴
三島由紀夫にファンレターを出して以来の交流
・元東大全共闘
メンバー3人
・元盾の会
一期生3人
・元新潮社
カメラマン
・元TBS記者
・元雑誌編集者
合計13人のインタビューも合わせて構成されています。
3月20日公開
映画
『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』〈感想〉
https://mikemico.com/eiga_mishimayukio2020
映画『11・25自決の日 』
2012年公開
『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』
を観てみました。
『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』
監督:若松孝二
三島由紀夫:井浦新
三島の妻:寺島しのぶ森田必勝:満島真之介
(三島を追って自決する盾の会2代目学生長)
三島由紀夫の作家生活の様子
盾の会を結成する過程などが描かれており
三島由紀夫vs東大全共闘
の場面もありました。
壇上の学生が、三島由紀夫のことを「先生」と呼んでしまって、三島が苦笑いし、学生がなぜ「先生」と呼んだかという言い訳をしどろもどろに説明する場面は実に良く表現されていました。
ということがなぜわかるのかといいますと
先日TBSの
「爆報!THE フライデー」
でその場面の映像が流れたからです!
それで実際の映像と映画の映像を見比べてその完成度に驚きました!
映画の中の三島由紀夫の発言で私が印象に残ったのは
「私は右翼だろうが左翼だろうが暴力に反対したことなんかは一度もない」
「私は今までどうしても日本の知識人というものが、思想というものに力があって、知識というものに力があって、それだけで人間の上に君臨しているという形が嫌いで嫌いでたまらなかった」
「全学連の諸君がやったことの、全部は肯定しないけれども、ある日本の大正教養主義からきた知識人のうぬぼれというものの鼻を叩き割ったという功績は絶対に認めます」
で、メモしていました。
そして映画公開が近づくにつれて、公開される映像も増えていっていますが、この発言の部分を使われているのを目にして、「やはりそうか」との思いを強くしています。
若松監督の映画もよく出来ていて、随分と理解させてもらいました。
とくに三島由紀夫を演じた井浦新さんは膨大なセリフを見事にこなしてリアリティあふれる演技でした。
満島真之介さん演じた森田必勝の存在も大きかったこともよくよくわかりました。まっすぐな演技も良かったです。
なんといっても自決の様子を再現した場面はすごかったです!
市ヶ谷駐屯地に向かう車の中での会話、心境。
バルコニーからの演説。
部屋へ戻っての割腹自決。
リアルすぎます!!