映画『バグズ・ライフ』アリとバッタ、昆虫サーカス団の活躍は?!

NHK Eテレで不定期放送中の「昆虫すごいぜ!」に寄せられる子どもたちからの熱いお手紙の数々を見ますと昆虫ファンは意外と多いと思い知らされます。

映画「バグズ・ライフ」は「トイ・ストーリー」のスタッフによるピクサー第二弾です。絵がとてもキレイでユーモアもありストーリー展開もオチも納得の楽しいアニメ映画です。

お話の中心となるのはアリたちです。
その敵にバッタ軍団。
そして虫たちで構成するサーカス団も活躍します。

そのストーリーはイソップ物語がヒントになっているそうです。

 

 

イソップ物語

イソップ童話とは、紀元前600年頃、古代ギリシアの奴隷であったアイソーポス(イソップ)がまとめたとされる童話集です。

それはイソップの創作だったり、地方の民話などを集めたりしたとされていて、イソップ物語の起源などはあやふやなまま、今にいたります。

道徳的な内容を動物にたとえて表現しているお話が多く、わかりやすく核心を突いています。

 

 

 

アリとキリギリス

では映画「バグズ・ライフ」のヒントとなった「アリとキリギリス」とはどういったお話でしょうか。

アリたちは冬になって食料がとれなくなってしまう前にせっせと食料を集めていた。その様子を見ていたキリギリスは「なにもあくせくと働かなくても歌でも歌って楽しくすごせばいいじゃない」とアリを馬鹿にし、働かず遊んでばかりいた。冬になると寒さで食べ物はなくなり、食料を備蓄していなかったキリギリスはお腹が減ってたまらない。ふとアリのことを思い出し、訪ねていって「食べ物を分けてくれないか」と頼んだ。しかしアリはかつて馬鹿にされたことを根に持っていて「自業自得ですよ」と言ってキリギリスを追い返した。キリギリスは飢え死にしてしまった。

といった内容です。

しかしイソップ物語は子ども向けということもあり、この話の展開では残酷すぎて教育上よろしくないということで改変されている本もあります。

青色の部分

アリはかつて馬鹿にされたことを根に持っていたが、キリギリスのことを可哀相だと思った。このままだと死んでしまうからだ。なのでアリはキリギリスに「これからは遊んでばかりいないで自分が食べる分は働くと約束してくれたら食料を少し分けてあげよう」と言った。するとキリギリスはよくよく反省して「来年からはちゃんと働くよ」と約束したのでアリは食料を分けてあげた。約束通りキリギリスは次の年からちゃんと働いて冬の食料も備蓄するようになった。ただし大好きな歌は忘れずに歌いながらアリと楽しく仲良く働いたのでした

といった内容です。

 

 

 

主な登場人物

【アリ族】
フリック
主人公
発明家の働きアリ。

 

ドット姫
女王一族の次女。
フリックを慕っている。

 

アッタ姫
女王一族の長女。
気が弱く心配性。

 

女王
アリ族の女王。
高齢なため跡継ぎ教育に余念がない。

 

【バッタ軍団】
ホッパー
アリたちをいじめに来るバッタ軍団のリーダー。

 

モルト
ホッパーの弟
ホッパーのいいなり。

 

【サーカス団】
P.T.フリー
ノミ
団長
儲けるためなら自分がヤケドをしてもいとわない。

 

ディム
カブトムシ
ロージーとコンビで猛獣ショーを行なう。

 

ロージー
クロゴケグモ
ディムとコンビで猛獣ショーを行なうがやりすぎるとオロオロする。

 

タック&ロール
双子のダンゴムシ
コンビで登場。

 

スリム
ナナフシ
道化師
自分が笑われることに納得がいかない。

 

ハイムリック
イモムシ
いつか蝶になることを夢見ている。

 

フランシス
テントウ虫
かわいらしい外見でメスに見られるがオス。
キレやすく汚い言葉でののしる。

 

マニー
カマキリ
マジシャン

 

ジプシー

マニーの妻
夫婦でコンビを組んでマジックを見せる。

 

【鳥】
この物語で重要な役目を持つ

 

あらすじ(冒頭)

アリたちは行列をなして黙々と食料をひとつところに集めていた。そんな中、発明家のフリックは一度にたくさん収穫できる機械を発明しひとりで実験してみた。ところがうまくいかず、アリたちの列を乱してしまい、ひんしゅくをかってしまう。

アリたちが集めている食料は自分たちの分ではなく、年に一度現われるバッタ軍団のためだった。

アリの見張り役の合図がしたため、バッタ軍団がやってきたことを知ったアリたちは一斉にアリ塚へ逃げ込んだ。フリックだけが遅れて最後にアリ塚へ駆け込もうとしたそのとき、フリックの発明した機械の一部がはずれて飛んでいき、食料を蓄えていた場所の柱が壊され、食料はすべて川へ落ち流されてしまった。

アリ塚で声を潜めてじっとしていたアリたちはバッタ軍団が食料に満足して何事もなく立ち去ってくれるのを待っていた。

ところが地上からは「食べ物がなにもないぞ」との声が聞こえる。

そこにフリックが駆け込んできて事故が起こり食料は川へ落ちすべてなくなってしまったと告げる。

とそのときバッタ軍団がアリ塚を壊してアリたちの前に現われた。

そして怒り狂い「もう一度来るときまでには、2倍集めろ」と言い残し立ち去った。

疲れ果てていたアリたちは、もうこれ以上は無理だ。自分たちの分も集めないと全滅してしまうと途方に暮れる。

そしてこうなったのもフリックのせいだ!と怒りはフリックにむけられたが、フリックは不可抗力の事故だったと反論。そしてバッタ軍団をやっつけてくれる用心棒をみつけてくるといって旅だった。

ノミ団長率いるサーカス団はなかなか評判があがらない中、必死に客を引き留めようと演じていた。団長自ら演者となるも、演目が失敗し自ら黒焦げにヤケドをしてしまう。そして「全員クビだ!」と怒りにまかせて言い放つ。

クビになってしまったサーカス団員は居酒屋に集まっていた。そこでいいがかりをつけられ、トラブルになったが、得意の芝居でその場を乗り切る。それをちょうど見ていたフリックが演技とは知らずに感激しサーカス団員たちにぜひ来て欲しいとお願いする。

サーカス団員たちはスカウトされたものと勘違いし、どうせ仕事もないことだしと引き受け、一緒にアリたちのもとに行く。

フリックになんの期待もしていなかったアリたちだが、フリックが用心棒を連れて帰ったことに驚き、歓迎のパーティを開く。サーカス団員たちは早速いつもの演技を見せてふるまう。大歓声を浴びて「よっぽど娯楽に飢えていたんだな」と大喜びする。

ところがサーカス団員たちは自分たちはバッタ軍団と戦うためにつれてこられたんだと知ることとなり、フリックもサーカス団員たちが居酒屋で見せた勇者の姿は演技だったと知る。

サーカス団員たちは「話が違う」と逃げ出す。いなくなっては困るフリックは必死に引き留める。とそのとき、鳥に襲われる。サーカス団員たちは一致団結し鳥を追い払うことに成功。するとアリたちより「伝説の勇者」として賛嘆される。気分をよくしたサーカス団員たちは、しばらくとどまることにした。

フリックは鳥ならばバッタ軍団も恐れるに違いないと思いつき、本物そっくりの鳥の人形を作ることを提案した。女王は「全員でやりとげましょう」と皆に声かけてくれ、食料集めよりも鳥の人形作りに精を出す毎日となった。

 

ラストは残酷?!

ラストはちょっと残酷かもしれませんが、いつもの勧善懲悪のストーリー展開です。

 

映画

『バグズ・ライフ』
ピクサー制作
1999年3月日本公開

 

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