映画『アーロと少年』心あたたまる少年と恐竜の冒険物語
恐竜が主役の物語です。
恐竜が絶滅した原因は巨大隕石が地球に衝突したからという説が有力ですよね。
この映画は今から6500年前、地球に恐竜が存在した頃から始まります。
その地球に巨大隕石が衝突するかに見え、軌道がはずれて衝突しなかった!
それを恐竜も空を見上げて眺めていた。
というギャグがはさまれています。
うっかりすると見逃すかもしれません。
そして更に数百年後の地球。
それが映画の舞台です。
目次
原題
『The Good Dinosaur』
直訳すると
「良い恐竜」
ですね。
設定
主人公は恐竜のアーロ。
アパトサウルスという草食恐竜。
アーロは恐竜一家の末っ子です。
三きょうだいの卵で一番大きかったのですが、それは見かけ倒しで一番体が小さく生まれてきました。気が弱く、でも優しい性格です。
一家はトウモロコシ畑を持っていて、農耕をして暮らしています。
畑を耕し収穫して、冬に備えて穀物倉庫に蓄えます。
まるで人間のようですね。
肉食も草食も
ティラノサウルスも登場しますが、アーロと戦いません。
映画の中では草食恐竜も肉食恐竜も助け合うところがいいですね。
人間の子ども
アーロと旅をする人間の子どもは言葉をしゃべりません。アーロや他人の言葉は理解して会話はできます。
ワンとかアゥーとか、ときに遠吠えもします。
普通、人間がしゃべって動物はしゃべれないけれど、理解しているような行動をとるといったお話が多い中で人間以外は言葉をしゃべるという異色の設定です。
恐竜時代に人間がいるということ自体あり得ないですが。
舌を出してハァハァ言ったり、ときに四つん這いになります。
動作は機敏ですばしっこく身軽です。
鼻が異常に利きます。
まるで犬のようです。
しかし頭のキレは見事で知恵が働くところは人間らしいです。
美しい景色
景色の美しさは抜群です!
特に濃いブルーの湖は透明度100mくらいありそうなキレイな青です。
そこで泳ぐ恐竜の姿は必見です!
世界遺産のようなスカイブルーの岩の水たまり群なども美しいです。
恐竜時代はいまより自然破壊が進んでいなく、美しい自然の景色だったということが強調される見事な背景づくりですね。
主な登場人物
アーロ
恐竜アパトサウルス
スポット
人間の子ども
アーロの父
アーロの母
アーロの兄
アーロの姉
スポットの家族
イナズマドカン
翼竜テロダクティル
悪者
イナズマドカンの仲間たち
翼竜テロダクティル
悪者
ティラノサウルスの一家
あらすじ(冒頭)
トウモロコシ畑で農耕をして暮らす草食恐竜のアーロ一家。
兄や姉に比べて劣等感を持つアーロは、ある日父親より
「穀物倉庫の泥棒を罠にかけて仕留めるように」
といいつけられた。
意気揚々と穀物倉庫の見張りとしていると、人間の子どもが罠にかかった。しかしアーロは最後の一撃を振りかざすことができず逃がしてしまった。
すると父親から「最後までちゃんとやるんだ。一緒に来い」と言われ、人間の子どもの跡を追った。
しかしアーロは途中で足をくじいてしまい、雨も強くなってきたので、父親は「引き返そう」といい「よくやった」とアーロを励ます。
そのとき川の水が高波となって勢いを増して流れてきた。
急ぎアーロを高いところへ押し上げた父親は自分の足元が悪く川へ落ちて波にのまれてしまった。
強いショックを受けながらアーロはうちへ戻る。
後日穀物倉庫を見ると、中にいつかの人間の子がいてトウモロコシを食べていた。
アーロは
「お前を見逃してしまったから、こんなことになってしまったんだ!」
と怒り追いかける。
人間の子どもはすばしっこくなかなかつかまらない。
とうとう遠くまで来てしまった。
人間の子どもはアーロがお腹がすいていることを気遣っていろいろと食べ物を与えてくれようとする。アーロももともと優しい性格ということもあって怒りはおさまり、たびたび危ない目にあう人間の子どもを助けようとする。
いつの間にか人間の子どもスポットと恐竜のアーロは仲良くなり、一緒に家に帰る旅を続けることになった。
テーマは「家族」
自分のせいで父親が亡くなってしまったと気に病んでいるアーロ。
父親の影を追い求めますが、自分がしっかりしなくちゃとも奮い立ちます。
あたたかい家族の元に早く帰りたいと必死に家に帰ろうとします。
また天涯孤独だと思っていたスポットも家族と再会できます。
アーロから離れようとしないスポットに無理矢理にでも家族の元に帰るようにしむけます。
家族の絆が根底に流れるテーマになっています。
設定の効果
しゃべらない犬のような人間
恐竜と人間が共存する世界
農耕をする恐竜
肉食と草食と仲良しの恐竜たち
など
異色の設定のおかげで、おもしろい映画になっています。
人間っぽい優しい心をもつ恐竜アーロと知恵が働き絶対に逃げ切れるスポットが魅力的です。
そして悪者イナズマドカンたちが最後に罰をくらうのもお決まりですね。
映画
ピクサーアニメ
『アーロと少年』
2016年3月日本公開