映画『アガサ・クリスティーねじれた家』自ら最高傑作と語った作品
アガサクリスティの映画作品は登場人物が多いですね。
なので映画の冒頭は登場人物の把握に集中することになります。
のんびり聞いているといつの間にやら登場人物の説明が終わってしまい、「あれ、だれだったっけ?」ということになってしまいます。
作品を深く楽しむには登場人物の把握は欠かせません。
そして人間関係から犯人を推測するのも観る楽しみのひとつです。
途中ワザと間違った犯人に導く場面もあります。
それに気づいたときは
「間違って推理させようとしているけどひっかからないよ~」
と内心思ったりします。
「ねじれた家」は原作を読んでいないこともあって、タイトルと映画の関係性がイマイチわからなかったです。
映像を観るとお屋敷はとくにねじれていません。
普通に建っています。
でもタイトルどおりならば
「ねじれた家で起きた出来事」
です。
見逃したけれども屋敷の内装にねじれがあったのでしょうか。
それとも屋敷の住人家族が変わり者でひねくれているといった内面のこじれを指しているのでしょうか。
いずれ原作を読んでみたいと思います。
映画は原作とは設定が多少違うようです。
映画、小説ともに楽しめますね♪
目次
相関図
主な登場人物の相関図
あらすじ(冒頭)
大金持ちの老人、アリスタイド・レオニデスが亡くなった。死因を調べると毒殺だった。
レオニデスの孫娘・ソフィアは探偵のチャールズに捜査を依頼する。
チャールズはソフィアの元恋人で元外交官だった。現在は探偵。父親はロンドン警視庁副総監だったが殺害され犯人は捕まっていない。
チャールズはレオニデスの屋敷にやってきて住人の家族たちに聞き込みを始めた。
レオニデスは先妻が亡くなっており、後妻は若い妻だった。
レオニデスの莫大な遺産は誰の手に渡るのか、屋敷中が注目していた。
すると弁護士から
「生前家族全員立ち会いのもと、遺言状にそれぞれサインをしたと思っていたらレオニデスのサインだけなかった。遺言状がないまま亡くなったことになる。ということは遺産は後妻のブレンダひとりのものになる」
と知らせがあった。
レオニデスが亡くなった晩に糖尿病の注射を打ったのはブレンダだ。ブレンダが犯人に違いないと一度は警察につれて行かれる。
ところが別の弁護士から「遺言状を預かっている」と連絡が入り、それによると「後妻のブレンダに多少の遺産を残し、残りはすべてソフィアが相続する」という。
住人たちは一応は納得してソフィアに「良かったわね」と声をかける。
ところが第二の殺人事件が起こってしまった。
いったい誰が二人も殺したのか?!
カギとなる人物はレオニデスの前妻の姉・ソフィアの大叔母であるブレンダ。
ソフィアの妹で12歳のジョセフィン。
ラストは衝撃のシーンで終わります!
感想
多くの登場人物を出し、人間関係を知らせ、誰がなぜ犯行を犯してしまったのか、読者に推理させるテクニックはさすがの展開です。
大金持ちの遺産相続争いは昔のミステリーの定番といった感じです。
途中から犯人はわかりましたが、なんとも恐ろしいです。ラストは悲惨です。
残酷な物語にしてしまったアガサクリスティは、これを最高傑作と言っているのですね。
なんとも後味が悪いですが衝撃的でした。
映画
『ねじれた家』
日本公開
2019年4月19日