NHKドラマ『定年オヤジ改造計画』原作あらすじ☆ドラマ見どころ!

原作は天海祐希主演2021年公開の映画
『老後の資金がありません!』
の原作者でもある、垣谷美雨さん。

この小説もおもしろかったですね~♪

『定年オヤジ改造計画』も
おもしろいのなんのって!

お薦めです♪

小説だから多少は誇張していると思いますが、時代錯誤な発言が腹立だしい!

だからと言って読むのをやめたくなるどころか、次が読みたくてたまらない。ページをめくる手が止まらない、そんなお話です。

サスペンスものではないけれど大きな謎がひとつ。

「どんなふうにオヤジは改造されるのか?!」

 

 

変われるのか?

「大人になってしまったら、人間そうそう変われない」
と言う人もいれば

「いくつになっても成長できる」
と言う人もいますね。

さて主人公・庄司常雄は変われるのでしょうか?!

 

 

登場人物

庄司常雄:38年間のサラリーマン勤めを終え定年退職した男性。

庄司十志子:専業主婦の常雄の妻。

庄司百合絵:大企業に勤め両親と同居している独身の33歳の娘。

庄司和弘:結婚して家を出、二人の子持ちの30歳の息子。

庄司麻衣:和弘の妻。
庄司葵:保育園に通う3歳の娘。
庄司漣:保育園に通う1歳の息子。

 

 

物語のはじまり

定年退職したての庄司常雄。

三度の食事をきちんと決まった時間にとり、適度な運動をして健康的で有意義な毎日を送ろうと決意していた。

「退職してやっと時間ができたのだから家族とも真摯にむきあっていこう」

そんな心持ちで娘の百合絵をつかまえては
「なんでおまえは結婚しないんだ」
と結婚の大事を説く。子供を育ててこそ一人前の女性なのだと。

気がつけば妻の十志子は朝から別宅(資産運用のために購入したワンルームマンション)に足繁く通うようになっている。

百合絵は「一緒にいたくないんじゃないの」とか「ふげん病」だとか言う。

さすがに娘だけあってズバズバ言いますね。

しかし常雄は取り合わず

「もしや浮気でもしているのでは?」
と勘ぐり身支度をして自分も別宅へ様子を見に行く。

十志子はひとりで読書をしていた。
「それにしても気が利かなくなった。お茶のひとつも出さない」
と内心思い聞くと下の階に自動販売機があるので自分で買ってくるようにという。

「お昼はどうするんだ」
と聞いてみるとコンビニでなにか買ってきて食べるという。
「だったら自分もそうする」
と言うと
「アナタの分は冷蔵庫に用意してあるから帰って食べてください」
と、玄関まで見送りをされ釈然としない気持ちで帰途についた。

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ここまでの冒頭部分を読んで

「ははー、こういうことね」

とピンときましたでしょうか。

これは「改造」しなければなりませんね。

しかも、常雄は娘の百合絵から言われた“夫源病”がなんとことかわからず、無邪気にも妻の十志子に
「普賢岳に関する病気なのか?」
と聞いています。

これはコントか!?

 

 

常雄の考え

主婦は一日中暇をもてあましている(男は一日中外で懸命に働いている)。

なのに具合が悪いといい医者にはどこもどこも悪いところはないと言われたんだったら”怠け病”だ。

子供が病気になったり不登校になったりするのは母親に責任がある(男は家庭を顧みる余裕がないほど働きつめているのだから)

母さんの仕事を奪ったら悪いから家事はしない。

家事は会社で働くより段違いに楽チン。

母親は生まれつき母性本能があって当たり前(男はないのが当たり前)。

だから我が子が泣いている原因がわかるもの(男はわからないのが当たり前)。

男は赤ちゃんの泣き声をうるさく感じるが母親はうるさく思わない。

男性をたててくれるのは当たり前(女は立てる必要はない)。

男に女の気持ちがわかるわけない(男には女の気持ちがわからないのは仕方がない)。

聡明な女性は産休も育休もとらない。

三歳までは母親が育てるべきだ。

などなど。

でもこれのどこが悪いんだと思う人もいるんでしょうね。

 

 

神話崩壊

常雄は
「母は舅姑、小姑同居の中、四人の子供を育てながら家事も農作業もやった。母性本能の塊で理想の母親だった」
と長年思い込んでいました。

そしてことごとく家族にも語ってきたのでした。

定年退職して間もなく母の七回忌で実家へ里帰りした常雄。

常雄が
「うちの母ちゃんは母親の鑑だった」
と言うと、きょうだいたちは

「それ、誰かと間違えている」
と言います。

きょうだいたちは
「母は子供が大嫌いで近所ではおっかないオバさんで有名だった。自分のことしか考えていない。常雄は近所のじっちゃん、ばっちゃんに育てられたようなもんだ。

たまたま舅姑が亡くなって母親に精神的にもゆとりができて四人きょうだいの末っ子の常雄に前三人のきょうだいとは違う接し方をしただけではないのか」というのです。

常雄が長年信じてきた神話が崩れることになってしまったのです。

 

 

核心

さらに
「日本に資本主義が導入された頃に男が勤め人になって女が家事育児に専念するのが会社側には好都合。

年寄りと赤ん坊の世話を女にさせとけば福祉に回すお金を削れるからという国の政策にまんまと引っかかった」

ときょうだいは言います。

なかなかの核心をつく発言です。

作者が強く言いたかったことのひとつではないでしょうか。

方言を使ってさらっと言わせるところがウマイですね!

私たちの価値観は時代の政策に操つられ作られてきて出来たにすぎない。

だからこそ、ちょっとしたことで価値観は変わる、変えられるとも言っているような気がします。

 

 

夫源病

一般には
「夫の言動によるストレスで妻の具合が悪くなること」
と言われています。

やがて常雄は「夫源病」がなんたるかを知ることになりますが

「自分は暴君ではないし、威張り散らさないし、暴力をふるったこともない。昼食だって簡単なものでかまわないのに」

と十志子の不調の原因がどうしてもわかりません。

定年退職したら、地方に別荘を買って畑を耕して暮らすのもいいし、海外旅行へ出かけるのもいい。

十志子と二人で悠々自適な毎日をすごすことを楽しみにしてきたのに、なぜ避けられているのかと悶々とします。

 

 

転機

そんなとき、思わぬ転機が訪れます。

息子・和弘から
「嫁・麻衣が働きに出たいと言うので孫の葵と漣の保育園の送り迎えを頼みたい」
と言ってきたのです。

十志子は具合が悪いので無理だといいます。仕方なく常雄が引き受けることになりました。

常雄は孫の送り迎えをしていく中で、働く女性の子育ての大変さを知ります。

そして家事育児に非協力的な息子を見ているうちに自分を見る思いがして常雄の考えが徐々に変わり始めます。

 

和弘

常雄の家でのふるまいを見て育った息子・和弘は当然のごとく常雄と同じ価値観の男でした。

なかでも「なんとかしなけれぼ」と常雄を奮い立たせた出来事がありました。

それは・・・。

麻衣が留守のとき、漣がウンチをした。
すると和弘は、
「俺、ウンチだけはダメなんだよ。見るのも耐えられないんだよ。もし手にウンチがついたりしたらどうするんだよ。男には無理なんだ」
と言う。

常雄が
「ウンチは誰だってくさいんだよ」
と言うと、
「そうかな、そうは見えないけど」

「麻衣さんだって我慢しているんだよ」
「我慢できるところが俺とは違う。俺は我慢できない」
と言う。

そして世間でイクメンができるのは一部の公務員や起業したIT企業の社長ぐらいいなものだと。

常雄は決心する。

ついこの間まで
「ウンチの始末は”男には無理だ”」
「どうして自分がやるんだ」
と和弘と同じように言っていた自分だが

息子を改造しなければ!

 

ドラマ キャスト

庄司常雄
:郷ひろみ

庄司十志子
:伊藤蘭

里美(原作の百合絵)
:成海璃子

庄司和弘
:矢本悠馬

庄司麻衣
:佐津川愛美

語り(老猫の声)
:イッセー尾形

大井希心
白井悠人
壇蜜
濱田マリ
中村雅俊
萬田久子
高橋克実

アイドル路線で生活臭がしない郷ひろみさんが定年オヤジをどう演じるのか?!も見どころですね♪

NHKドラマ
『定年オヤジ改造計画』