映画『ルイスと不思議の時計』原作をなぞっただけでないおもしろさ!

 原作は1973年に最初に出版され、本国アメリカではいまだに版を重ねているそうです。作者はこのルイスの物語を3冊書いて1991年に亡くなったため、そのあと彼のファンだったという作家が残された下書きをもとに、更に3冊書きあげ、6冊のシリーズとするほど、大人気の本だそうです。

 

原作が海外ものは訳者によって解釈や表現が違ってくるので、児童文学といっても想像力全開で読まないと難解な部分もありました。読者の読取り方はさまざまで正解はないのかもしれませんが、映像でどのように表現するのか確かめたくて観ました。

 

日本では魔法を練習したら使えるようになるとか、身内が魔法使いだったというお話をすんなりと受け入れる考えはないですが、英米文学では多く見られます。そういう意味ではハリーポッターと同類だと思います。

 

原作では主人公・ルイスは、ものごころついた頃からずっと太りすぎでバカにされてきた人生だったので、せっかくできた唯一の友だちタービーに嫌われたくなくて、禁断の魔法使ってしまうというストーリーでした。

 

ルイス役にどのくらい太った子役を起用かと思いましたがスマートな子。そのかわり変なメガネを頭に乗っけてダサく演じていました。しかし、この子役の演技力は半端ないですね!すごくウマイです。

 

しかし原作では、あの時計をルイスが持ちあげて、投げて壊しておしまいといった何の芸当もないあっけない解決策だったので、映画では創作を加えおおげさに表現したのは良かったと思います。

 

ハリーポッターが発表された今はよっぽどの工夫がないと物足りなく感じてしまうのではないでしょうか。

 

音楽も始終つきまとって途切れることがなかったのも、観る者を不気味にさせようとか、怖がらせ驚かせようとの過剰演出のひとつかと感じます。

変な人形たちを集めた部屋を作ったことも。

 

しかし原作をなぞっただけの映画ではなく、いろいろな工夫がなされていて、特に子どもは十分楽しめると思います。