映画『ナイブズアウト』現代と昔が入り混じったような探偵劇
確かに宣伝文句どおり”現代のアガサクリスティーミステリー”のような映画でした。
セットのお屋敷の古さや複雑な間取り、年代を感じさせる置物やコーディネイトはいかにも”なにか起こりそう?!”と思わせてくれます。
スマホを使っているので、現代の設定でしょうけれど、防犯カメラの映像は古~い汚れたビデオ。
科捜研の登場もなし。
現代と昔が入り混じったような探偵劇でした。
目次
名探偵の登場
名探偵の最初の登場は、巡査たちが屋敷の住人に聞き取りをしていた最中にその後ろの椅子に座っていました。
「誰なの?」
と聞かれると
「私は謙虚にただここにいるだけです」
と答えます。
しかし”謙虚に”との説明にはほど遠いくらい
足を組んでふんぞり返って椅子に座っていましたから
訳を間違えたのか?
ブラックジョークなのか?
どこが?!
と思ってしまいました。
主な登場人物
◆名探偵ブノワ・ブラン
◆ハーラン
人気ミステリー作家
85歳の誕生日に亡くなる
*************
◆リンダ
ハーランの長女
◇リチャード
リンダの夫
◇ランサム
リンダの長男
働いたことがない
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◆ウォルト
ハーランの次男
ハーランの出版物を管理
◇ドナ
ウォルトの妻
◇ジェイコブ
ウォルトの息子
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◆ジョニ
ハーランの亡き長男の妻
◇メグ
ジョニの娘
ハーランから援助を受けて大学に通う
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◆グレート
ハーランの母親
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◆エディ
ハーラン家の家政婦
◆マルタ
ハーラン付きの看護師
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◆アラン
弁護士
◆ワグナー巡査
あらすじ
(途中まで)
世界的大人気のミステリー作家・ハーランが85歳の誕生日に亡くなった。
警察は自殺とふんでいたが、名探偵・ブノワが事件解明に名乗りをあげ警察とともにハーラン家にやってきた。
なんでもブノワ宛に「事件を解明してほしい」との手紙が大金と共に届いたからだという。
早速ハーラン一家の聞き取り調査が始まった。
誕生日パーティの夜にハーランともめた家族は
●次男
ハーランの本の管理をしていた。
電子書籍をすすめたかったが、ハーランよりYesの返事がもらえず強く説得していたところ、ハーランより解雇されてしまった。
●長男の妻
ハーランより娘の大学の援助をしてもらっていたが、自分のほうにも送金されるようにごまかしていたことがハーランにばれた。「今回で最後だ」と援助を打ち切られてしまった。
●長女の夫
浮気していたことがハーランにばれた。長女にちゃんと打ち明け謝罪するように言われていた。
そして
●長女リンダの息子
内容はわからないがハーランに大声でどなり、パーティの途中で帰ってしまった。
事情聴取の際、ハーランともめごとがあった家族は本当のことは隠してウソの作り話を警察に話した。
ハーラン付きの看護師・マルタは亡くなった夜ハーランと一緒にいたが、本当のことは警察に伝えなかった。
マルタはハーランが亡くなったことで無職になってしまうが、いままで家族同然と思ってすごしてきたのだから、今まで通り面倒をみるよ
とハーランの家族から温かい言葉をかけられる。
事件の真相がわからないまま、ハーランの遺産相続の発表の日がきた。
弁護士から
「ハーランのすべての財産は、マルタに相続する」
と告げられたハーラン一家は衝撃を受け、マルタに罵詈雑言を浴びせる。
そして相続を放棄するようにせめる。
放棄しなければ、マルタの母親の違法入国を通報するとまで脅しにかかる。
しかしマルタはハーランの死の真相で隠していることがあった。
感想
マルタはうそを言うと吐く
という体質でした。
それでウソをついているのか本当のことを言っているのか、まわりにバレてしまうのがおもしろい設定でした。
マルタがハーレンの死に関わっているということを探偵ブノワが知ったのは、マルタに最初に会った時、スニーカーに1滴の血がついていたことを発見したときからだった
と名探偵ぶりを語っています。
マルタは自分がハーレンを死なせてしまったのではないかと思い、気が気でありません。
気がつくと貧乏ゆすりをしてしまっています。
マルタ役のアナ・デ・アルマスの熱演が良かったです。
予告では登場人物がたくさんいるように感じ、覚えられるかな~と心配していましたが、人物構成が複雑ではなく覚えやすかったので、助かりました。
映画の冒頭部分だけは集中してみていると把握できます。
またタネあかしのタイミングが絶妙ですし、わかりやすい。
よい流れでわからせてくれるように工夫されていると思います。
気になったのは、科捜研のこと。
今の日本のドラマではすぐ科捜研がやってくるのを見慣れているせいかもしれませんが、この映画では一度も姿を現していません。
現代のはずなのに?
でも最後にモルヒネがハーレンの致死量でなかったと証明されたとのことだったので、いちお科捜研も活躍していたとわかりましたが。
血液や証拠書類が簡単に放火されてしまう、あの施設って、やっぱり現代っぽくないですね~。
もっと厳重に保管しているものではないでしょうかね?
それはアガサクリスティーに寄せるために、現代劇なのに昔っぽい要素もワザととりいれたからなのでしょうかね。
でもそれで味がある探偵劇に仕上がっていると思います。
名探偵役のダニエル・クレイグは007のときとはまったく違う役作りでした。
とても合っていると思います。
第二弾もあるといいなーと思いますのでヒットしてほしいです。
おもしろかったです。