映画『ザ・ハウス・オブ・グッチ』感想&あらすじ
- 強烈な映像とストーリーで鑑賞した夜はなかなか寝付けなかったです。
ブランドに興味がない私はGUCCIと言われてもとくに感情はわきません。しかし高級ブランドのひとつというくらいはわかっています。
目次
見どころ
高級ブランドの一族に起きたスキャンダラスな出来事と聞いて「おもしろそう!」と思いました。
更に出演者はレディ・ガガ、アル・パチーノ、アダム・ドライバーとただならぬ面々と知り、「これは映画館で観ておきたい!」と楽しみになりました。
レディ・ガガは売れっ子シンガーでときどきマスコミを驚かせるファッションで登場するというくらいの認識でした。「どんな演技を見せるのか?」「どんな衣装を身につけるのか?」高級ブランドに恥じないような、素敵なファッションで演じるに違いないと、衣装、外見も楽しみでした。
アル・パチーノは名前は知っていますが、顔は浮かびません。アル・パチーノといえば有名な『ゴッドファーザー』というくらいは知っていますが、まだ御存命だったんだ。すでに歴史上の人物かと思っていたというくらいでした。『ゴッドファーザー』は見たことがありません。
アダム・ドライバーといえば『スター・ウォーズ』。『スター・ウォーズ』に選ばれるくらいなのだから売れっ子俳優なのでしょう。『マリッジ・ストーリー』の予告も見たことがありますが、現代物の演技はなんだか不思議な感じがしました。
ということで3人の有名俳優の演技、レディー・ガガの容姿(衣装)、実話を元にしたストーリー展開を見どころに鑑賞しました。
参考サイト
ストーリーの予習には、映画とは多少違いますが、こちらのサイトはとても参考になりました。
https://www.newsweekjapan.jp/amp/worldvoice/vismoglie/2021/03/post-21.php
レディー・ガガ
なによりも圧倒されたのは、レディー・ガガでした。
まず衣装や髪形、歩き方、たたずまいといった容姿が魅力的です。
マウリツィオ・グッチに気に入られようとする“ぶりっ子演技”
結婚後グッチ一族になった堂々たる演技
夫婦げんかの激しい“ののしり”
浮気相手へのすごみ
夫婦関係を修復しようとする懇願の演技
殺し屋に会うときの“ビビった演技”
事件の朝の演技
裁判で「マダム・グッチと呼びなさい」と言い放った演技などなど
目が離せませんでした!
まさに適役!素晴らしかったですね。
インタビューで
「私が大切だと思ったのは身分不相応の 人を愛して何が悪いのという気持ちよ。 欲を出すってどんな気持ちか。 彼女を演じるにあたってとても大切だったわ」
と答えています。
アル・パチーノ
陽気で豪快な演技でした。
「こ・に・ち・は」と日本語を言い、両手を広げておどけてみせる演技
逮捕されたときの表情
息子がグッチ株を手放したと聞いたときの心のそこからの嘆き
サインをするときの悔しさ爆発の演技
「俺の息子は馬鹿息子だ」といって抱きしめる演技。
こちらも目が離せませんでした!
熟練の演技。素晴らしい!
以下、ネタバレ注意!
もう少し詳しく
レディー・ガガ演じるパトリツィアが夫を殺害しようとした心理描写がもう少し欲しかったですね。
もちろん本当のことは本人しか知り得ないことですが、展開が急です。
また夫が亡くなったあと、パトリツィアがどう変貌したのかも、もう少し詳しく描いて欲しかったです。
裁判への展開も急でした。
この辺も詳しく描いていたら上映時間が長くなるので、わざとカットしたのでしょうかね?!
パオロのファッションショー
マウリツィオの従弟・パオロはビジネスを立ち上げてファッションショーを行ないましたが、そのシーンがなんともいえないですね。
ファッションショー中に警察が現われてパオロは逮捕されてしまいます。
警察は「中止、中止」と言ってショーをやめさせます。
妻がモーツアルトの魔笛を独唱していましたが、高音が微妙にハズれています。ほんのちょっと。でも気になるハズれ方。
とても美しい歌声なのですが、最初は「んんっ?ハズれてる?」と思い、「やっぱりハズしている」と確信しました。これも心の心理描写を表した演出なのだと思いますがいかがでしょうか。
妻は最後まで、ひとりぼっちになっても歌い続けます。
なんとも哀れなシーンでした。
あらすじ
レディー・ガガ演じるパトリツィアは父親の会社で事務員として働いていた。
あるパーティでアダム・ドライバー演じるマウリツィオ・グッチと出会う。
パトリツィアは彼がグッチと名乗ったことに目を見張る。この瞬間に彼を射止めようと思ったのだろう。彼を待ち伏せして偶然出会ったように見せたりして、彼の気を引くことに力を注ぎ、やがて父親に紹介するまでの仲になる。
しかしマウリツィオの父ロドルフォ・グッチはパトリツィアの身辺調査を行ない家柄を知り結婚を反対する。
「彼女と結婚するならグッチの財産は相続させない」と。
グッチの家柄に固執していなかったマウリツィオは、家出をしてパトリツィアの実家へ転がり込む。パトリツィアの父親の会社で働かせてもらう。
そして二人は結婚式をあげる。
グッチ家からは参列客はほとんどいなかった。
やがてパトリツィアは娘を出産する。
マウリツィオの父ロドルフォ・グッチは病気になって弱気になり、二人の結婚を許し財産も残すことにした。
ロドルフォ・グッチには弟がいた。マウリツィオの叔父にあたるアル・パチーノ演じるアルド・グッチはパトリツィアたちを自分の誕生日パーティに招待し歓迎してくれた。
アルド・グッチには息子がいた。ジャレッド・レト演じるパオロ・グッチはデザイナーとして名を馳せたかったが認めてもらえないことにジレンマをもち、父親にも不満を抱いていた。
酒に酔った勢いでパオロは父アルドの脱税を告発した。逮捕されたアルドはグッチの社長の座からもひきずり落とされた。
その後意気揚々とパオロは自分のビジネスを立ち上げファッションショーを開く。妻がモーツアルトの魔笛を独唱しモデルがウォーキングする中、警察が乗り込み、ショーは中止、パオロはグッチ名を勝手にビジネスに利用した罪で逮捕されてしまう。
パオロは莫大な借金を返すためにグッチの持ち株を売り払ってしまった。
服役を終えて出所してきた父アルド・グッチはそれを聞いておおいに嘆く。
「俺の息子は馬鹿息子」
といって固く抱きしめる。
気が強い面が出てきたパトリツィアは、マウリツィオの頼りない面が気に障る。
やがてマウリツィオを激しくののしるようになる。
冬のバカンスで訪れたスキー場で、マウリツィオは友人達と楽しくすごしていた。そこに昔からの知り合いだったパオラと再開し懇意になっていく。やがて恋人に。
スキー場でふたりの様子に目を光らせたパトリツィアはパオラに釘をさす。
「盗むことはいけないことだと教わらなかった?」と。
しかしふたりの愛を止めることはできなかった。
マウリツィオはパトリツィアへの愛情が冷め、すっかり心を閉ざし、パトリツィアの元へ帰らなくなった。
パトリツィアはマウリツィオを待ち伏せして「話がしたい」といって復縁を訴えるが、冷たくあしらわれる。
パトリツィアはかねてから懇意にしていた占い師・ピーナに相談する。
この状況から抜け出すには
「強い意志が必要だ」
と言われ
「私は強い意志は持っている」
と強気にでる。
一方、グッチの社長の座に着いたマウリツィオは高級車を何台も買い込んだりと浪費が激しくなった。
「金額なんて関係ない。感覚で選んでいるだけ」と言って。
どうにもならない状態まで経営状態が悪化してしまったグッチ経営陣はマウリツィオの使い込みを指摘する。
そして「経営者にむいていない」とも告げる。
映画
『ザ・ハウス・オブ・グッチ』
2022年1月14日公開