「ガラスの城」松本清張原作の概要・ドラマの見どころ
テレビ朝日開局65周年記念ドラマスペシャルで松本清張「ガラスの城」を原作に放送すると聞いて読んでみました。
原作は「ガラスの城」にたとえた高層ビル内にある一流企業での出世争いにからむ殺人事件を二人の語り手を通して展開させています。
この二人の語り手を使うという手法がさすが!
最初の語り手は入社6年の三上田鶴子(たずこ)。
細かい観察力で会社内の様子を語り、殺人事件が起きてからも鋭い分析と自身の行動をつぶさに語り事件の解決にせまっているかのように語ります。しかし途中で失踪してしまいます。そこで語り手が交代します。課内で孤立していた的場郁子。的場は年齢が40歳に近く課内で誰ともつるまない。
田上は語りの中で的場も殺人事件の謎を追跡しているのではないかと勘ぐります。しかも自分と同じような考えを持って行動していると。さらに自分よりも核心に近づいているのではないかと。
的場の語りは、失踪した田上が残したノートの内容も事件の分析に加えていることもあり、より真相に近づいているかのように思わせます。
語り手の視点が変わったことにより読む側も頭の切り替えができます。
正直「このまま進むのかぁ。先は長そうだな」と思っていたところでしたので「おやっ?」と新鮮な気持ちになり読み進められました。
田上は殺人事件解明に近づいたからこそきっと殺されたのだろう。自分もいずれ殺されるのではないかと思いながら行動する的場。
二人の語り手を使った手法をドラマではどう表現するのか、この点も見どころかと思います。
過去の放送一覧
「ガラスの城」も過去に映像化されていました。
今回で3回目のようですね。
しかし2001年の放送は記憶にないですね。なおさら楽しみです!
出典:Wikipedia