映画『女王陛下のお気に入り』獲得賞多数の評価の高い映画☆
イギリスのアン女王のお気に入りの座をめぐって女同士の争いの様子を描いた作品です。
目次
こんな方に特にお奨め♪
✔ イギリス貴族や宮廷が好きな人
✔ イギリスの歴史が好きな人
✔ 女性同士のどろどろした人間関係を楽しみたい人
✔ アカデミー賞を始め多くの賞を獲得した映画を観てみたい人
あらすじ(ざっくり)
アン女王の幼なじみのサラはアンの側近中の側近。
片時も離れず側にいてアンのお世話をしていました。
そのため城内でもアン女王に次ぐ絶大なる権限がありました。
アン女王とサラは女王と家臣ですが、親友でもありました。
そこにアビゲイルが現われます。
アビゲイルはサラのいとこです。しかし家は没落。サラのはからいで宮廷の女中として働くようになったのです。
しかしアン女王とサラの仲が悪くなったことをきっかけに、アビゲイルが女王に重用されるようになります。
やがてサラは追放され、アビゲイルがかつてのサラの立場まで上り詰めます。
アン女王と側近の2人
サラはアン女王より5歳年上。
アビゲイルは女王より5歳年下。
サラは最初、アビゲイルを軽く見ていたのでしょう。
自分より10つも年下で家は没落。自分が拾ってやったんだ。自分のおかげで城で働けるようになったんだからまさか自分の足を引っ張るようなことはするはずがないと。
その逆転していく様は映画の見どころです。
映画の時代はいつ?
アン女王は1665年に誕生。
日本は江戸時代前期の頃です。
37歳でイングランド・スコットランド女王に即位。
49歳で亡くなったときはグレートブリテン女王でした。
40歳頃、“アビゲイルを重用”と資料にありますから、37歳で女王に即位してまもなくのお話でしょう。
電気はありませんから、大量のロウソクが城内を照らしています。
道ばたではトイレし放題で道路を通ってきただけで臭いがついちゃうとか。
その時代の貴族の象徴、カツラはこっけいです。
海外の人が日本のちょんまげを見たらこっけいに思うでしょうか。
アン女王の痛風と肥満
アン女王は肥満体質で晩年は痛風と肥満で歩くことができない状態だったそうです。
亡くなった後の棺桶は通常の縦長では遺体が入らなかったのでしょう。横幅が通常より長かったようです。
映画でも「足が痛む、足をもんで」と悲痛に訴えていましたし、ほぼ車いすに乗って移動していました。
子ども
アン女王は生涯に17回も妊娠しましたが、ひとりも成人しませんでした。
映画では17羽のうさぎを部屋で飼ってかわいがるというお話にしています。
“うさぎ”というのはイギリスっぽいですね。
うさぎを我が子のように大事にしたという設定ですが、映画の最後はアビゲイルがうさぎを足で踏んづけている光景を映しています。
それをアン女王に見られたとも知らずに、アン女王の豹変ぶりに困惑するアビゲイル。
媚びを売ってかいがいしくうさぎの世話をしていたかアビゲイルですが出世してしまえば、無下にあつかうとは。
夫・ジョージ
映画に夫は出てきません。
それはアン女王とサラとアビゲイルの関係を際立てる狙いかと思われます。
実際は夫と仲が良かったようです。
夫はアン女王より12歳年上。アン女王死去の6年前に亡くなっています。
演出?!
映画を観ていてずーっと考えていたのは、アン女王が何歳のときのお話なんだろう?ということです。
見た目は随分とふけている感じ。
女王という気品や品格はゼロです。
これは演出なのでしょう。
ワザとメイクなどでふけた印象にして、外見的に魅力的な女性に描かなかった。
そして内面的にも、喜怒哀楽が激しく、かんしゃく持ちでワガママ。
こんな人格のリーダーが国の代表でいいのか?!
と思ってしまう、人格者のかけらもない女王。
これも演出なのでしょう。
お国柄の違い?!
日本だったら考えられない描き方ですね。
いちお国の代表のことは、良いほうに盛って、表現します。
織田信長だって非情でかんしゃく持ちで瞬間湯沸かし器だけれど、最先端を行くおしゃれさんでカッコイイ、強引だけど強いリーダーシップといった感じに。
天皇陛下のことだって、神のようにあがめ、人間くさいところは表現しないのが暗黙のルールになっているのが日本。
お国柄の違いだな~と感じました。
多くの賞を獲得
それでも主演オリヴィア・コールマンは多くの賞を受賞。
映画自体も多くの賞を獲得しています。
こういった映画が評価されるのですね。
映画を好きになるかどうかは自分次第。
世界的には評価の高い映画なのでしょう。
主な登場人物
アン女王
:オリヴィア・コールマン
★アカデミー賞
アビゲイル
サラのいとこ
:エマ・ストーン
サラ
女王の親友で、側近。
:レイチェル・ワイズ
映画
『女王陛下のお気に入り』
2019年2月日本公開