映画『AI崩壊』感想~近未来の社会とAI暴走の逃亡劇
AI化が進む中、近い将来、もしAIに支配された生活になるとどんな風景になるのか。
そのAIが暴走するとどうなるのか。
間違った認識を持った者が権力を持ちAIを使うとどうなるのか。
うっすらと感じていたことをストーリーとして組み立て、具体的に映像で見せてくれている点で興味深い映画でした。
防犯カメラのネットワークから人物の居場所を特定する方法や、人物を3D判定する方法などは、テレビドラマ『科捜研〇〇』でも見たことがありますので、特別な驚きはなかったです。
ただその手法をリアルタイムで連動して行えるということは、現代では無理でしょうから、少し未来の2030年だったら、可能なのかもしれないと思えたのはリアリティがある作りだったと思います。
目次
2020年5月20日ディスク発売
5月20日発売
AI崩壊 ブルーレイ&DVDセット (2枚組) [Blu-ray]
大沢たかおさん
大沢たかおさんの主演映像は久々に観ました。
少し前に
映画『キングダム』2019年4月。
フジテレビドラマ『大奥』2019年3月。
がありましたが
今回の映画のようにガッツリ主役というのは久々のようです。
1995年日本テレビドラマ『星の金貨』で一躍人気者になってドラマに立て続けに出演。
2000年を過ぎたころに「テレビで見かけなくなったなー」と思っていたら、映画に出まくっていましたね。
2003年~2010年は年に3~4本も出演されていたようです。
その後2009年に
TBSドラマ『仁』で再びブレイク。
というイメージです。
主役級の風格、演技力、存在感を感じました。
こういう必死な形相の役は
ウマイですね~。
気になった点
映画であり物語ですので、いろいろと矛盾が生じるのは仕方がないことです。
そこは、観る側が多少のことは目をつぶって観るのは承知しているつもりですが、今回特に気になった点です。
年代設定
映画冒頭のAIが国民生活に組み込まれた様子の描写は、おもしろく描かれていると思いました。
しかしその設定が2030年ですので、あと10年であそこまでと考えると、ちょっと早いのではと感じ「ありえない~」と人ごとに思ってしまいました。
あくまでAIの部分だけで
それ以外は進んでいない。
しかも地方では遅れが生じ
その格差がある
との説明には納得しましたが。
射殺
犯人を追う場面ですが、犯人と確定したわけでもない丸腰の民間人を射殺してしまうのは、日本ではありえないことです。
この場面は一気にしらけてしまいました。
こういうふうにおおげさにしないと”映画”としておもしろくないからでしょうかね。
娘の忘れ物
浩介のひとり娘が「忘れ物をした」といって引き返す場面。
結局その”忘れ物”は、AIのぞみの下部の隙間に落ちていたという設定でしたが、そんなことはまずありえないでしょう。
ピアスくらいの小さなものだったらもしかしたらと思いますが、あのような写真立てを落としたら音がするだろうし、慎重に見学しているだろうから気づかないわけがないし、誰かがワザと手をつっこんで置かないとあんな場所に落とすことはできないでしょう。
まとめ
といった設定にガクッとすることもありましたが、細かい点は気にしなければ、エンターテインメントとして楽しめる作品でした。
あらすじ
(途中まで)
桐生浩介(大沢たかお)は天才的なAI(人工知能)開発者。
妻(松嶋菜々子)はガンのため、幼いひとり娘を残して他界。
”AIのぞみ”を完成させた桐生浩介は娘と共にシンガポールへ移住。
そこで開発とは無縁の生活を送り数年が経った。
ある日、日本の義弟(賀来賢人)より帰国してほしいと連絡が入る。
浩介は乗り気でなかったが、娘が日本に行きたいと切望し帰国することに。
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義弟はAIのぞみを管理するHOPE社の社長で、帰国した浩介たちを会社に案内し、更に進化させたというAIのぞみを披露した。
AIのぞみはライフラインや医療など国民生活に入り込み、今やAIのぞみ無しでは暮らせないほどの存在になっていた。
次の会場へ向かうため車に乗り込もうとすると、娘が「忘れ物をした」と言い出し、浩介は娘と別れて先に会場へ向かった。
車が走り出した矢先、AIのぞみに異変が起きる。
AIまかせの車の走行は暴走し、病院の医療システムは破たんし、銀行もストップ。
街は大混乱に。
警察庁ではAIのぞみとは別にAIシステムを作っていた。
そのサイバー犯罪対策課を指揮する桜庭誠(岩田剛典)のもと、AIシステムで犯人を特定。
画面がアップされ映し出されたのは、桐生浩介だった。
その時点で浩介はAIを使って国民を混乱させた容疑者として全国に指名手配されることになった。
AIシステムを駆使して浩介を追撃する警察と、逃げ回る浩介の逃亡劇が始まった。