映画『とんび』感動したい人におすすめの父子の物語!
重松清原作の感動作が10年の時を経てまたしても映像化!
原作は間違いなく感動作なので、それを映像でどう表現されているのか、楽しみな作品ですね♪
数度の映像化
2008年に小説が刊行され、いままでNHK(2012)、TBS(2013)でドラマ化されてきました。
NHKは前編・後編の2回放送。
文化賞芸術祭優秀賞、モンテカルロ国際テレビ祭で最優秀作品賞、東京ドラマアウォードで作品優秀賞を受賞しました。
TBSでは10話。20%を超える高視聴率で最終回を飾りました。
そして2022年4月公開の映画。
こうも映像化される原作とはよっぽど魅力ある原作といえるでしょう。
ことわざ
「鳶(とんび)が鷹を生む」ということわざがあります。
鳶(とんび)も鷹も同じ仲間で、姿や大きさも似ているが、鳶(とんび)を平凡なものとし、鷹をすぐれたものにたとえていることから
平凡な親から優れた子が生まれた
ことをいいます。
タイトルにつけられた「とんび」は、主人公ヤスのことでしょう。
学も教養もなく粗暴だったヤスからは想像もできない、勉強も出来て行儀のよい子供が生まれた。まるで“とんびが鷹を生んだ”ようだと言われる親子。
自分の子供アキラがかわいくて仕方がないヤス。
優しい妻にも恵まれて幸せな日々をすごしていたが、突然の事故で妻を失ってしまう。
幼いアキラをまわりの友人たちに助けられながら育て上げていく物語です。
スタッフ・キャスト
主要スタッフ・キャストを比べてみました。
こうしてみると、その時代に合った、どのかたも納得のいくナイスキャスティングですね♪
話の山場
ヤスさんに待望の子供が生まれる。アキラと名付ける。
ヤスさんの妻・美佐子が事故で亡くなってしまう。
幼稚園で母親のことをからかわれたアキラが喧嘩をする。
アキラのために再婚したほうが良いのか悩んでいたヤスさんは、海雲より「海になれ」と言われる。
「雪は悲しみじゃ。なんぼ雪が降っても黙って知らん顔して呑み込んでいく海にならんといけん」と。
中学入学前になると、アキラは母親が亡くなった原因をまわりの人たちに聞いて回る。いつかは言わなければならないと覚悟を決めたヤスさんは「自分をかばって犠牲になった」と嘘をつく。
野球部に入ったアキラは部活の伝統通りに下級生にケツバッドを行っていた。「みんなやっているから」と。しかし下級生のある親が抗議に家までやってきた。
被害届を出すだの、退部届けを書くまでは帰らないなど頑なな下級生の親にヤスさんは「アキラも反省している。お子さんも大事にはいたらなかったということで1本締めといきましょう」とひとり手を叩く。
地元を出て東京の大学へ進んだアキラは東京で就職もしてしまう。気を落とすヤスさんがアキラの就職先の会社で読ませてもらったのは入社試験でアキラが書いたという作文「嘘と真実について」。そこには母親が亡くなった本当の原因を知ったことと父親が自分のために嘘をついてくれたことについて書かれていた。
アキラは結婚相手を連れて帰省した。7つ年上でバツイチ。3歳の子供がいるという姉御肌の女性だった。ヤスさんが想像していたはるか上をいく女性だったことに素直になれないヤスさん。どうにかこうにか結婚を認める。
ヤスさんの職場でリストラが始まり、ヤスさんもその対象に。しかし東京へ転勤すればまだ働く場があるといわれた。東京へ行けばアキラたちとも暮らせる。アキラも「今度建てる家に親父の部屋も作ろうと思っている」と言ってくれている。東京へ行くべきかどうか、悩むヤスさん。
結局地元に残り、居酒屋「夕なぎ」の後継者になることにしたヤスさん。たえ子にいろいろ教わっているが、当分時間がかかりそう。しかしイキイキしている。
一番好きなシーン
私はケツバットをされた下級生の親が乗り込んでくるところ。そしてヤスさんがひとり一本締めをするシーンが大好き!こんな人いる?!と笑えて感動する場面です。
映画
『とんび』
2022年4月8日公開