シューマンの思い出『ららら♪クラシック』Eテレ

Eテレ『ららら♪クラシック』はクラシック初心者にもわかりやすく楽しんで見ることができるようにと様々な工夫をこらして番組作りをしています。

 

クラシックの曲では1曲が30分を超えてしまうのもあるのに、この番組は30分です。ですので、長い曲は抜粋したり、基本的に短い曲を扱っているようです。

 

私は2012年の石田衣良さんがMCを始められたときに「おおっ」と興味を引かれて、ときどき録画して見ていました。高橋克典さんMCにリニューアルされてからは録画して見る回数が増えました。以前にも増しておもしろい題材、番組作りをしてくれているのを感じます。私のようなクラシック初心者にはちょうどいい番組です。

 

たとえば、今メディアに多く出演されているピアニストに清塚信也さんの御出演は1度きりではないはず。有名ピアニストの仲道郁代も御出演。最近では映画「蜜蜂と遠雷」の秘話もありました。映画音楽たとえばトムとジェリーの音楽作りは映像を見ながら曲や音を作ったといった秘話、滝廉太郎の「憾(うらみ)」というあまり知られていない曲をとりあげたり、誰もがわかるコジラの曲を書いた作曲家はアイヌ音楽の影響を受けていた

といった感じで話題性に富んだ番組内容なのです。

 

“シューマン”の回は、ちょっとクラシックがわかる程度の人にも有名なピアニスト・クララとのこと、また人と話すことが苦手だったシューマンが曲の音符を言葉にたとえて、愛する“クララ”という言葉を入れ込んだといったエピソードなどでした。

 

ピアノ協奏曲の中で絶大なる人気があるのは、

ショパン第一番
ラフマニノフ第二番、第三番
チャイコフスキー第一番
グリーク
ベートーベン第五番「皇帝」

といったところでしょうか。

シューマンのピアノ協奏曲も大変人気があると思いますが、シューマンはピアノ協奏曲はこの1曲しか残していないのですよね。この1曲が素晴らしいです!

 

シューマンのピアノ協奏曲といえば、私は忘れられない思い出があります。

 

それは東京で初めて有名なピアニストのコンサートに行った思い出です。

 

地方出身者の私は有名ピアニストのコンサートは地元では見ることができません。10代の頃は、NHK教育テレビで中村紘子さんのピアノ教室を放送していてそれを時々見ていました。ですので、私にとって有名なピアニストは中村紘子さんでした。

 

その中村紘子さんのコンサートチケットがGETできたので、喜びいさんで観に行きました。そのときの演目が“シューマンのピアノ協奏曲”でした。

「シューマン?シューベルトでなく?」

といった知識しかありませんでした。ですので“シューマンのピアノ協奏曲”を知ったのもこのときが初めてでした。

 

“シューマンのピアノ協奏曲”は出だしが派手なピアノの音から始まります。その出だしの音を中村紘子さんは、これもまた派手にはずしたのです!!つまり間違えたのです。

 

私は初めて“シューマンのピアノ協奏曲”を聞いたわけですが、はずしたのはわかりました。だってひどい音でしたから。もうびっくり!

 

こんな有名なピアニストが一番肝心な出だしをはずす?!

 

衝撃的でした。

 

それまで私もつたないながらもピアノを習っていまして、音をはずさないで1曲を終えるのが最大の課題だと思って練習してきました。毎日家で練習をして週1回ピアノの先生の前で弾くときや年に1回のピアノの発表会のときに、「音をはずしてはいけない」と強く強く言い聞かせながらすごしてきたわけですから、常識がひっくり返ったのです。

 

でも演奏は「音をはずさない」ことが最重要なのではなく、「どんな音を表現するか」が大事ということが後になってわかってきたのですが。

 

最初に派手に間違えておきながら、それを忘れるくらいの見事な演奏でした。ミスタッチをひきずっていたらプロではないということですよね。

 

ということで、ウン十年だった今でも忘れられない思い出です。当時は厳しくなかったのでカセットに録音して、家に帰って何度も聴いていました。もうそのカセットはどこにいったやら。探せば出てくるかしら。  

図書館で借りたチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の第三楽章の最後の最後に管楽器がハデにはずしていたCDもありましたね~。しかし、最後の最後、惜しかったですよね~。しかもそれをCDとして販売しちゃうんだと思いました。 

Eテレのクラシック音楽番組、これからも楽しみにしています♪