映画『はい、泳げません』これならきっとあなたも泳げる?!

泳げなかった筆者がスイミングスクールに通い、ユニークな指導法のコーチに疑問を懐きながらも、約2年間かけて25m泳げるようになるまでを描いた作品です。

まったく泳げないどころか、いかに水が怖いかから始まり、どれだけ泳げないのか、泳ぐとは苦しいことだったのだと理解し、あれやこれやと苦労し、それでも泳ぐことをやめず、とうとう

こんなに楽しいものとは知りませんでした。
ありがとうコーチ。
おかげで魚類の仲間入りです。
と心の中で感謝した。

というほどまでになります。

なぜやめないのか?

ハッキリ言って

「やめればいいのに」

と思いました。

水が怖いのなら無理して泳げるようにならなくてもいいのでは?

なぜやめないの??と。

でも続ける根性はすごいな。

まあ、すぐにやめないからこうやって1冊の本になって映画にもなるのだから頑張った甲斐があるというものですね。

 

 

好評

筆者はノンフィクション作家とのこと。

ファンから「いつもの高橋節がおもしろい!」的なコメント。

これは大評判の本のようです。

実際、おもしろかった。

だから映画にもなるのか。

 

 

「水泳の取材で難しいのは

メモを取れない

という点でした。

(確かに~)

最初は水が怖くて取材どころではなかった。

なので毎回プールから上げるとその日のレッスン内容をノートに書き留めました」と筆者。

 

とても詳細な内容です。

取材力と筆力

で、こんなにもおもしろい水泳日記になるのですね。

 

ユニークなコーチ

コーチの指導法もおもしろいです。

指導は唐突で、前回と言うことが変わる。それを「矛盾」とは言わない。
「進化」と生徒たちは言っています。

しかしコーチは

「コーチは言うことが毎回変わる」
「毎回進化している」
って皆さんおっしゃっているけど、変わるんじゃなくて、言い方をわざと変えているんです。皆さんが進歩するために。何度同じことを言ってもわからない人には違う言い方をする。十通りの表現があるんですよ。

 

 

水をかかない

「皆さん、水をかこうとしないでください」
「水をおさえるんです」
「浮こうとしないでください」
「死体と同じです。力を抜けば浮いてくるんです」

 

 

水をおさえる

「おさえると浮いてくる。浮いてくるからまたおさえるのです」

 

 

泳ぐのは歩くのと同じ

「水の中ではなにも考えないこと。泳ぐのは歩くのと同じ。歩くとき、右、左と考えますか?同じように無意識で泳ぐのです」

 

 

おとぼけ感覚

「肩の力を抜いて、両腕を伸ばしたまま下から、上げてきて下さい」
「はい、もう一回」
胸が開くことで、自動的に息が入ってきます。
「これを水の中ですればいいんです」
“腕を伸ばすこと”を意識しないであくまで気がついたら体が勝手に伸びているという、“おとぼけ感覚が大切”なんです。

 

 

泳がない

「泳がないでください」
「最初から泳ごうとしてはいけないんです」
「伸びるだけです」
「今日は調子がいいぞという時は、伸びてる、伸びてると思います」

“泳ごう”と考えているうちは、泳げるようにならない。

 

 

境地

結果、筆者は
「私が泳いでいるのではない。水がゆらゆらと私を泳がしてくれるのだ」
という境地に達します。

すごい!!

この本を読んでいると、泳げない人も本当に泳げるようになるような気がしてきます。

ましてや映像化されるともっとリアルに感じるでしょう。

 

 

キャスト

主役
哲学者
小鳥遊雄司:
長谷川博己

コーチ:
綾瀬はるか

雄司の上司?
鴨下教授:
小林薫

雄司の恋人
奈美恵:
阿部純子
美弥子
雄司の前妻:
麻生久美子

水泳教室の生徒:
伊佐山ひろ子
広岡由里子
占部房子
上原奈美

 

 

見どころ

この作品のおもしろい点は、コーチの指導のユニークさと、それを生真面目にとらえる主人公とのやりとり、だんだんと泳げるようになっていく過程、水泳教室の人たちとのコミュニケーションです。

コーチは言うことが一貫していません。

前回は、こう言ったのに、今回は違うことを言う。

なぜ?

と生真面目に悩む主人公に長谷川博己さん。

言うことに一貫性がないことに悪びれないユニークな指導をするコーチ役に綾瀬はるかさん。

おもしろいかけあいになること間違いなしです!

ナイスキャスティングですね!

これは楽しみです♪

映画
『はい、泳げません』
2022年6月公開