『女系家族』2021年版テレ朝二夜連続ドラマ〈見どころ〉
山崎豊子原作小説『女系家族』は今まで何度もドラマ化されてきました。それだけ原作は内容が濃くおもしろさが詰まった魅力的な作品です。
原作は1963年に単行本で刊行されていますから今から約50年も前のものになります。ですからところどころ時代を感じさせる表現はあります。それをドラマによってその時代に合った作風に変えてきたのだと思います。
一大ブーム?!
初めての映像化は1963年。
映画にもドラマにもなりました。
1963年以前に『週刊文春』で連載されていましたから、連載当時から映像化は企画されていたのでしょう。映画、ドラマ、単行本刊行と当時は一大ブームだったに違いありません。
あらすじ
大阪・船場の老舗木綿問屋「矢島商店」が舞台。
矢島家は初代からあと三代はずっと跡継ぎ娘に養子婿を取る女系の家筋であった。
物語は矢島家の三姉妹が中心となる。
世間ならよりにもよって女の子ばかり続けて3人もと言われるだろうが矢島家では
「うちは女筋の方が栄える家やさかい跡継ぎ娘が3人もできたら大繁盛ということだすわ」となる。
母親は先に亡くなり、矢島家当主の嘉蔵が亡くなって葬儀を行なっている場面から始まる。
次女が婿をとって跡を継いでいたのに、出戻りの長女・藤代が筆頭喪主をつとめた。
藤代の母も祖母も曾祖母も揃って矢島家の家付き娘で番頭の中から婿を選んできた。
藤代の父・嘉蔵もしかり。
藤代の祖母や母にまで、まるで使用人に言うような権高なものいいをされても、女どもの機嫌を損なわぬようにせっせと商いに身を入れてきた。
そんな家で育った藤代も父を軽く見る癖がついていた。父が病気で弱っているのを知りながら せっかく取れたチケットだからと 姉妹三人で京都の南座へ芝居見物に出かけたりするほどだった。
影のような存在にすぎないと思われていた嘉蔵だった。
ところが嘉蔵の死後、嘉蔵の愛人だという女性が現われ、嘉蔵の子を身ごもっているという。
矢島家の莫大な遺産相続を巡り、複雑な人間関係が絡んでいく。
みどころ
中でも長女と愛人の火花散る対決が見どころでしょう。
歴代のキャストもドラマによって、長女を主役においたり、愛人を主役においたり、W主役においたりしているようです。
2021年版では
長女役に寺島しのぶ
愛人役に宮沢りえ
相関図でも二人を並べておいていることから、対決姿勢を見せています。
ところが、家の中で女どもにしいたげられてきた嘉蔵が自分の死後、最後の最後に長年の思い(怨み)を果たす、女どもはいっぱい食わされる!
そして誰にも知られていないとタカをくくっていた大番頭の宇市のネコババを嘉蔵は知っていた。そして遺言にチクリとほのめかす。
高飛びを決め込んでいた宇市はその思惑が足元から崩れていく。
また嘉蔵は
「この上さらに女系を重ねることは、矢島家と雛子(三女)自身のために固く戒め申し候」
と遺言で女系が続くことを戒めている。
ストーリー的には嘉蔵の遺言が家族に与える大きな衝撃が見どころですね!
歴代キャスト
『女系家族』は今まで
1963年、1970年、1975年、1994年、2005年と何度も映像化されてきました。
過去3回のドラマのキャストを比べてみました。
それぞれピッタリ!
わかるような気がしませんか?!
監督
2021年版では監督に鶴橋康夫氏を起用しています。
80歳を超える大ベテランの監督は最近でいえば
映画『後妻業の女』
映画『のみとり侍』
を観ましたが、なかなかおもしろかったです。
豊川悦司さんと寺島しのぶさん出演の映画『愛の流刑地』は当時話題になりましたね。
豊川悦司さんと寺島しのぶさんは『のみとり侍』にも出演されています。
映画『後妻業の女』も映画『のみとり侍』も脚本は鶴橋康夫監督です。
ですので、今回のドラマの期待したいところです。
しかし鶴橋康夫監督の2019年テレ朝『白い巨塔』がイマイチだったんですよね~。
脚本は鶴橋康夫監督ではなかったのですが。
『白い巨塔』は唐沢寿明主演(フジテレビ)に遠く及びませんでした。
長編小説を5夜に凝縮したことも影響がありますかね。
『女系家族』は上下二巻。二夜連続です。
どうなることやら?!
楽しみのほうが大きいですが。期待したいです♪
ドラマ
『女系家族』
2021年12月4、5日
21時~
******************
|