TBS日曜劇場『日本沈没』10月スタート〈原作は?!〉
10月スタートのTBS日曜劇場は小松左京著『日本沈没』が原作と聞いて、以前から気になっていましたが、これを機に原作を読んでみました。
原作は1973年(昭和48年)に刊行されたSF小説です。
タイトル変更
原作者の小松左京氏は小説のタイトルを当初「日本滅亡」としていましたが、担当編集者のアドバイスにより「日本沈没」と改めました。
日本は地震が多い島国です。地球上では小さい島が誕生したり、あっという間に消滅しているという事実を考えると、島国・日本も将来沈むかもしれないという恐怖を抱かせる小説ですから、「日本沈没」のほうがよりリアル感が感じられ、変更して正解だったといえるでしょう。
思いついた編集者も素晴らしいですが、小松左京氏もよく容認したものですね。
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第三部まであった?!
完成までは9年もかかった大作です。専門的なことを細かいところまでよく調べられていて内容の濃い読み応えのある作品です。
文庫本上下巻の巻末には「第一部 完」と記されており、第二部上下巻もあります。
その後第三部の構想もあったようですが、実現せずに他界しています。
空前の大ヒット
本書は小松左京氏にとって「空前の大ベストセラー」になりました。
そのおかげで文壇の長者番付にも載り、各賞も受賞し、日本のSF作家の地位を築きました。
また映像作品を創る人にとって魅力的な原作本なのでしょう、テレビドラマ、アニメ、マンガ、映画と何度も映像化されています。
私は一度も観たことがありません。
恐ろしくて生きた心地がしなくなると思ったからです。
しかし、今だったら観ることができそうです。
日本が沈没することはないとわかったので、フィクションとして観ることができるからです。
これから日本の国はいろんな災難に遭っていきますが、沈むことはないですので安心して観ましょう。
原作は
描いている風景が昭和だからということもありますが、昭和っぽさが全面に漂っている小説です。
昭和の働く男達の生き様を感じます。
松本清張の小説も似たような感じを私は受けます。
原作あらすじ
原作の主人公は小野寺というサラリーマン。
海底開発KKという会社に勤める、深海調査の技術者です。
地球物理学者・田所博士
海洋地質学者の幸長助教授
と共に日本海溝の深海の海底を走る奇妙な亀裂、乱泥流を目撃します。
その少し前に4,5年前に出来たばかりだった小笠原諸島近くの島が一夜にして沈んだという情報が伝えられます。
沈んだときにたまたま島に滞在していたという近くの島の男達から直接話を聞きます。結果、わずか2日半の間に160mも沈下したという。
田所博士はなにかをつかんだらしく、調査に没頭し始めます。
後日、閣僚と学者が集まって地震に関する情報共有の懇談会に現われた田所博士は、
「日本が壊滅する場合も想定しておいたほうが、いいかもしれん。場合によっては日本がなくなってしまうことも」
と言いかけましたが、集まった人たちの失笑をかっただけでした。そのときは誰も相手にしなかったのです。
ただ田所博士だけが、日本の危機を感じとって危惧していたのです。
その後、田所博士を中心とした幸長助教授、小野寺などで「D計画」が結成され、秘密裏に「日本沈没」の可能性の調査を行なうことになります。
日曜劇場『日本沈没』
ドラマのほうは、原作を大幅にアレンジしています。
登場人物はキャスト紹介をざっとみると、原作の登場人物はほとんど登場しません。
香川照之さん演じる田所博士くらいでしょうか。
日本地球物理学会の異端児で、学会では厄介者。いち早く沈没の危機を訴え、最初は相手にされないけれど、田所の発言通りに事態がすすみ、注目されるようになる。
というところも同じです。
主役は、小栗旬さん演じる、野心家の環境省官僚・天海啓示。
松山ケンイチさん演じる、経済産業省の官僚・常盤紘一と同期。
ということで、このお二人が中心になりそうですね。
そのほかに
週刊誌の記者役に杏さん
総理大臣役に仲村トオルさん
若手官僚役にウエンツ瑛士さん、中村アンさん
内閣官房長官役に杉本哲太さん
経団連の会長役に風間杜夫さん
財務大臣役に石橋蓮司さん
など豪華キャストです!
『日本沈没』はいままでも映像化の際にそれぞれにアレンジされています。
ですので、日曜劇場『日本沈没』も大幅アレンジとなりそうですが、それはそれで楽しみですね♪
一番の見どころ
やはり
日本は沈むのか?!
です。
ドラマではどのような結末になるでしょうかね!
TBS日曜劇場
『日本沈没』
2021年10月予定