森下典子著『日日是好日』知らない世界を広げてくれる~茶道教室
映画の原作本と聞いて手に取った本ですので、映画にならなかったら存じ上げなかった本です。今でも台湾、中国などでも翻訳されて、ロングセラーを続けているそうです。読書メーター文庫の読みたい本ランキングで2位になったとも。
またこういうことで素晴らしい本に巡り会えるのも嬉しいことです。
今現在、本に登場していたお茶の先生はご健在なのか、気になります。どこかに情報があるのかもしれませんが探せないでいます。
著者は良い先生にめぐりあえて幸せですね。しかも歩いてすぐの近所にいらしたなんて。人間の成長には、こういった素晴らしい“師”との出会いが不可欠だという思いを強くしました。
そしてお茶の先生もけっしていばらず、「わたしのような至らない者に、みなさん、長い間付いてきてくださって、ありがとうございます。心から感謝しております」という。素晴らしい!
それにお茶の先生のお庭が素敵です。さまざまな木々や草花が植えられていて、まさに理想的です。
保育園や小学生の頃は、年中行事をやってくれていたおかげで、3月はひな祭り、5月は鯉のぼり、秋は月見、といった程度のことは意識できましたが、だんだんとそういったものから縁遠くなっていました。
秋の高い空を見ることも、アジサイの葉っぱのかたつむりを見つけることもすっかりと忘れていた年月をもったいないと感じています。
本書でもありましたが、1年を二十四節気と考え、四季折々を肌で感じる、そういった暮らし方をしていきたいと、ちょうど思っていたところでした。
「一期一会」・・・若くても、人間はいつどうなるのか、わからない、こればかりはどうしようもないことです。寿命がわかるだけの知恵が人間にはないですので。今会っている人が、今訪れている場所が、また会えるとは、訪れられるとは限らないので、大事にすごす
しかしながら、「茶道」というのは、大変奥深いものなのですね。私には到底できそうもありません。著者は「自分には向いていないかも」「やめてしまいたい」と思いながらも25年も続けてきたということは、「好きだった」「向いていた」んだと思いますけど。
〈関連記事〉
映画『日日是好日』がホッとする雰囲気!本も映像も素晴らしい!