映画『マチネの終わりに』感想☆福山雅治&石田ゆり子

三島由紀夫の再来といわれた平野啓一郎氏の小説が原作の映画。

脚本は大ベテランでヒットメーカーの井上由美子さん。

音楽も数々のヒット映像の音楽を担当してきた菅野祐悟さん。

主演に自らもギターを弾くという点で役柄にもあてはまる、福山雅治さん

ということで相当期待された陣容だったでしょう。

ただレビューのほうは芳しくなく劇場公開中は不評が目立ったのには驚くほどでした。

現在は絶賛と不評と大きく分かれているようです。

 

感想

私はおうちで鑑賞。

原作完読は間に合わず、読んでいる途中で先に映像を観ました。

誰かの感想でもありましたが、

「映画の展開に納得がいかず、原作を読むことにしました」

と同意。

映画を観ているうちに「原作ではどうなっているんだろう」と気になってしまいました。

 

 

惹かれ合う理由

まず、ふたりが惹かれ合う理由がわかりません。

福山雅治さんは多くの女性がカッコイイと思うようなので、女性側がカッコイイとひと目ぼれするのはわかるとして

石田ゆり子さんは、ぱっと見、ハッとするような引きつけられる美しさを持っているというより、人柄のよさがにじみ出てじわじわと惹かれているようなタイプに感じますのでどうなんでしょう?

と思ってしまうのが正直なところ。

原作では「ハーフのような顔立ち」とありましたので、それだったらわかるかもと。

でも「ひと目ぼれ」というパターンもありますから、お互いになにか感じるところがあり、ひと目ぼれしたと考えます。

 

 

告白の場面

二人でランチをしているときに、福山雅治さん演じる蒔野が強引に告白をする場面。まだ2回しか会っていないのに。

「地球のどこかで洋子さんが死んだって聞いたら俺も死ぬよ」

と突然突拍子もないことを言い始めます。

石田ゆり子さん演じる洋子が

「私、結婚するのよ、もうじき」

と言いますが

「だから、止めに来たんだよ」

と臆しません。

「でも、出会ってしまったから。その事実はなかったことにはできない。小峰洋子という一人の人間が存在しなかった人生というのは、もう非現実的なんだよ」

とキザで横柄な物言いが鼻につきました。

ストレートに「好きになってしまった」と言うのなら、まだ印象は違ったかもしれません。

それを福山雅治さんが言っているのですから、自信満々さが当人のイメージとすごくマッチしていて余計「嫌な感じ」です。

「相手のことは考えないんだ」

と無神経で自分ファーストに感じてしまい、私はこの時点で蒔野がまったく魅力的な人ではなくなります。

こういう強引さが好きな女性もいると思いますから、人それぞれだとは思いますが。

それにレコーディングが蒔野の「嫌になったからやめる」というひと言で中止になってしまうところは、芸術家のきままさを表現しているのかもしれませんが、「だから洋子にあんなふうに告白できちゃうんだ」とつながります。

洋子も婚約者がいるのに、蒔野に告白されて、断固として拒否ではなく、迷ってしまうということは、婚約自体に迷いがあったと解釈します。

また二人きりで食事ということになったときに、洋子にもなんらかの気配というか予感あるいは期待があったのではないかなと思います。

婚約者を大事に思うならば、二人きりで食事はしないでしょうし、ほかの人を誘って数人で食事というふうにセッティングするかと思いますから。

 

嘘のメールに気づかない?!

蒔野が携帯電話をタクシーに忘れた場面。

マネージャーが代わりに探しに行くといった場合、携帯にロックをかけていなかったとしたら、さえぎって自分で行くでしょう。携帯を見られたら困るし。

そして嘘のメールに関しては、大事なことなので、直接本人に確認するんじゃないかと思いますけどね。

それでマネージャーと結婚までしてしまうなんて。

気づかないものでしょうか?!

マネージャーも嘘のメールがきっかけで好きな人と結婚できたのであれば、それをバラすこともないんじゃないかと。

そうでもしなければ良心の呵責に耐えられなかったのでしょうか。そういう人もいますから、そういうタイプだったのでしょう。

 

すれ違い

すれ違いがテーマなのかもしれませんが

鈍くさい男女の恋愛

と感じてしまうのが正直なところ。

鈍くささが招いた結果。

「大事なことは直接本人に確認を」「慎重に行動しよう」という教訓を受けました。

恋愛というのはそういうもの。それがまたいいんだという人にはお薦めです。

 

映画は原作とほぼいっしょ。

ただ細かい表現は映画では時間的にも難しいので、説明不足感を与えてしまっているのかもしれません。

 

蒔野と洋子が2度目に会った二人きりの食事は、原作では夜8時。

映画ではたしか時間はハッキリ表現していないと思いますが、外が明るい時間帯。

その点は映画のほうが配慮したのかな~と推測しました。考えすぎかも知れませんが。

 

2019年11月1日公開

映画

『マチネの終わりに』

蒔野(福山雅治)はクラシックギターの天才といわれるアーティスト。ある日、演奏会後ジャーナリストの洋子(石田ゆり子)と出会う。蒔野は独身で洋子は婚約者がいた。

スタッフ

監督: 西谷弘
脚本: 井上由美子
音楽: 菅野祐悟
原作: 平野啓一郎

「マチネの終わりに」

 

キャスト

福山雅治:蒔野 聡史

石田ゆり子:小峰 洋子

伊勢谷友介:リチャード

桜井ユキ:三谷早苗

木南晴夏:中村奏

風吹ジュン:小峰信子

板谷由夏:是永慶子

 

 

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