『寂聴先生、ありがとう。』瀬尾まなほ/秘書が綴る人気作家の日常

瀬尾まなほさんが最初に出された本『おちゃめに100歳! 寂聴さん』は18万部のベストセラーになったとのこと。テレビでも人気の瀬戸内寂聴さんの秘書が本を出したということで注目した人は多かったと思います。しかも寂聴さん96歳、秘書さんは30歳。おばあちゃんと孫くらい歳が離れていて大変仲良し。どんな日常を送っているんだろうと興味を抱いた人は多かったと思います。96歳にしていまだ月に4本もの連載を執筆されている、尼さんでもある女流作家の日常を秘書の目を通して知ることができる興味深い本でした。

次に出された『命の限り、笑って生きたい』に続き、本書『寂聴先生、ありがとう。』ですが、相変わらずの内容でした。

かいつまんでいうと、

寂聴先生は素晴らしい、けれど私はなんてダメな人間だろう。
こんな私でも寂聴先生のもとにいる、なんて幸せなんだろう。
寂聴先生に「書きなさい」と勧められるけれど私は素人だからダメなんです。

といったことが繰り返し書かれています。

もう、わかりました。

といった感じです。

瀬尾まなほさんの気持ちは十分にわかりましたから、寂聴先生との日常のお話を出来るだけ書いてください。それだけで面白いのですから。

と思います。

同じような調子の本が3冊も出ているのですから、世間もそれでいいということでしょう。売れている限りまた執筆の依頼がくるでしょう。瀬尾まなほさんの筆力を期待しているというより、寂聴先生とのエピソードを期待していますから、プレッシャーに感じたり、気負うことなく書いてくださればと有り難いです。

作家さんの秘書が日常生活を綴ったエッセイは貴重です。特に売れっ子作家さんだったならば尚更。将来も貴重資料として残されていくのではないでしょうか。文学部の卒論の参考資料にもなるでしょう。

 

 

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