池上彰著『なぜ、読解力が必要なのか?』本音部分がおもしろい!
最近商品の問合せなどは電話ではなく、メールやチャットを使う機会が多くなりました。そもそも電話での問合せを設定していないメーカーも増えていますし、電話をしてもなかなかつながらないということもあります。
そこで、非常に気になっていたのが、文章での問合せの伝わらなさです。
もちろん私の文章に問題がある場合もあるでしょう。ということで、なんとか伝わるように毎回丁寧にわかりやすく書いているつもりですが、ちゃんと読んでくれない。「そこに○○と書いているのに-」と思ってしまうことがよくあります。
こちらが感じることは、そういう人は文章をよく読まないで、単語だけ拾って自分の中で都合のいいように文章を組み立てて読んだ気になっている。ふだん長文を読まない、書かない人なんだろうな~ということです。
中にはちゃんと文章を読んで、内容を理解してくれて、普通に返信してくれる人もいます。しかしこのような人のほうが少なくなってきたように感じます。
ということで、常日頃から「読解力について」は考えるところがありました。
そのようなときに『なぜ、読解力が必要なのか?』という本のタイトルを見てすごく共感しました!
「うん、うん、必要だよね、読解力!」
どんな内容の本なのか、楽しみに読み進めました。
読解力とは単純にいうと「文章を読んでその内容を理解する力」です。
更に
「会話の中での相手の意図を察する力」
「ものごとの本質を読み解く力」
とのこと。
こんなに広い定義だったのか~と思い知りました。
「大丈夫?」という問いかけに「大丈夫です!」と言ったとしても、心配させまいとする気遣いかもしれないし、強がりかもしれないし、本当に大丈夫かもしれないし、それを読み解く力も『読解力』だというのです。
その読解力も身につけられる方法を本書で考えていくというのですから期待度もあがります。
目次
読解力低下の原因
世界79ヵ国・地域の15歳約60万人を対象に行なわれた2018年度のPISA(学習到達度調査)で日本の読解力が前回8位から過去最低の15位に下がったというニュースがありました。
読解力低下の原因は、そもそもの読解力が低下していることと、自宅にパソコンがない子どもが増えていてパソコンに不慣れであることもあるのではないかとのこと。PISA(学習到達度調査)自体、パソコンで行なったからだそうです。
それはそうかもと思いましたが、
「パソコンを持っているかいないかで学力に差がある」
という見解はどうかな?!と思いました。
また
絵文字が読解力を低下させる。
スマホが脳の発達を止める。
ということはわかります。
読解力には数学を学ぶことも必要。数学を勉強していない人は「ものごとを論理的に考えられない」。論理的思考力には数学が欠かせない。論理的思考力は数学の勉強で身につくものだから数学は軽んじてはいけない。
と数学の大切さを力説されていましたが、
数学を学ばなければ、論理的思考ができない
と断定するのは偏見もあるような気がしました。
数学を学ぶ学ばない以前に、脳のタイプがあるのでは?と私は思います。
読解力をつけるには
結局、読書ですね。
異論ございません。
その方法も詳しく書いてくれています。
上手に書けないのは先生のせい?!
おもしろかったのは、池上さんが小学生の頃、作文や感想文を書くのが嫌いでうまく書けなかったのは、学校の先生の力量不足だったからというところです。
それはその通りだと私も思います。
が、ほとんどの先生がそうだと思います。
安倍元首相や小林秀雄、行政の文章に対する批判など、けっこう言いたい放題で、そういう本音がおもしろかったです。
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