映画『白蛇』映像が美しくキャラも際立っていてストーリーもおもしろい♪
中国の伝説「白蛇伝」を題材とした3DCGアニメです。
映像は美しくスピーディな展開で終始目が離せません。最後まであきることなく一気に鑑賞できました。
登場人物の女性の顔はつり目の大きな目、ばっちりアイシャドウで鼻筋が通っていて小鼻がせまく、小さくぽっちゃりとした口。これが中国の人の考える“美人”なのでしょう。
主役の男性の顔はすっきりとした優しそうな穏やかな顔。まったく詳しくないですが韓流スターにいそうな今時の顔。ちょうどオリンピックのニュースを見ていたら、水泳の瀬戸大也選手が似ていると思いました。
中国のアニメ会社・追光動画とアメリカのWarnerBrothersが共同制作した映画ですが、このキャラクター設定はアメリカ映画の感覚ではないなと思いました。
中国っぽい素材をふんだんに取り入れていて、架空の国の設定ではなく、“中国”前面押し!
映画音楽も昔の中国っぽいメロディ。エンドロールの絵も。
ストーリーも青龍・白虎・朱雀・玄武の四神や二十八宿から読み解く場面も。
中国古代の四大伝説を題材にしているというので、中国らしさをだすのは当然なのでしょうね。
しかし「白い蛇の妖怪が白衣の美しい女性に化けて、若者の心をつかむ」という伝説からかなり現代風にアレンジしていると思います。それに「白蛇伝」もひとつのお話ではなく、いくつも派生が生まれ、時代や地域で変化してきているというので、新しいストーリーを作りやすいのかもしれません。
「生まれ変わってもまた巡り会える」、「欲しいものを手に入れたいと願うならば大事なものを失うのも覚悟しなければ」、「人生はやりたくなくてもやらなければならないことがある」とか教訓っぽいものも入れています。
キャラクターもそれぞれ際立っていて魅力的です。
主人公の白蛇の白(ハク)と青年の宣(セン)はもちろん、悪役たちや犬のはらまき、宝青坊(ホウセイボウ)の店主のキツネの妖怪など。
宣の飼っていた犬のはらまきがカワイイ!宣が妖怪になったときに、はらまきのフサフサしっぽが宣のおしりに移動して、はらまきは人間の言葉を話せるようになるのもおもしろいですね♪
振り返っても、おもしろい映画だったなーとしみじみ思います。気になっている人はぜひ♪
ストーリー
白蛇の妖怪・白(ハク)は国師の暗殺を命じられ、城の中に潜入した。機敏な動きで国師のいる部屋までたどり着くと、持っていた翡翠(ひすい)色のかんざしで国師を後ろから刺そうとした。が、勘づいた国師はすんでのところでまぬがれる。失敗した白は逃げて、川の中に落ちる。
目が覚めると知らない小屋で寝ていた白は村の青年・宣(セン)が助けてくれたという。記憶喪失になっていた白が記憶をとりもどすために、倒れていたという滝の近くへ宣と一緒に行くことになった。
青年の村は蛇狩りをすると減税してくれるというので、村をあげて蛇の捕獲を行なっている村だった。
白の記憶が戻らないので、持っていた翡翠(ひすい)色のかんざしに記されていた宝青坊(ホウセイボウ)という店まで行ってみることにした。
その宝青坊にたどり着くと、店主は一見若い女の子だったが、実はキツネの妖怪だった。そしてかんざしの持ち主は白ではないと言う。またそのかんざしは相手の力を吸い取る魔力があるという。
一方、白に国師暗殺を命じた、白の師匠・蛇母(ジャボ)は白が暗殺未遂に終わった上に戻ってこないことに疑心暗鬼になっていた。回りの扇動もあり、白を始末しようとするが、白を姉のように慕う青(セイ)が「白を必ず連れて戻るからそれまで待っていてほしい」と頼み込み承知させる。
また国師の暗殺未遂の犯人を捜している国師の弟子・道士(ドウシ)は、宣の村をつきとめてやってきた。そして「白い服の女が村にきていないか」と尋ねる。
村人は恐れて白状した。しかし白と宣は宝青坊に向かって村を出ていたあとだった。
追われる白と宣は無事に幸せになれるのか?!
すさまじい妖怪同士の闘いも見どころです♪
映画『白蛇』
2021年7月30日公開