映画『HOKUSAI』若い頃の北斎が興味深い!出演者も魅力的♪
葛飾北斎を題材とした作品は数多くあります。
日本を代表する絵師であり、エピソードにことかかない変わり者。
映画「HOKUSAI」はどのような作品になるのか楽しみでした♪
4部構成
映画は4部構成になっていて
前半は柳楽優弥さん
後半は田中泯さんのW主演で構成されていました。
ほかの主要人物として
版元の蔦屋に阿部寛さん
ライバルの歌麿に玉木宏さん
写楽に浦上晟周さん
戯作者・種彦に永山瑛太さん
が出演されていて、前半のこの方々とのエピソードがおもしろかったです♪
というのも、若い頃の北斎を描かれている作品は観たことがなく興味深かかったです。
蔦屋との取引の場面や歌麿のエピソード、我を貫く北斎の生き様などテンポよい展開に目が離せません。
年表
気になって調べてみました。
歌麿は北斎の7歳年上。
蔦屋が北斎の10歳年上。
写楽は年齢不肖(というか人物特定不明)ですが有力説でいうと3歳年下。
種彦は23歳年下。
のようです。
しかし北斎が一番長寿ですね。
まあまあ事実に沿ったキャスト年齢になっていますね。
脚色
北斎は酒をやらないとか、ひらめいたら所構わず筆をとるとか、伝わっている北斎像をとりいれつつ、映画のストーリーが展開しやすいように、脚色をつけているところもあります。
たとえば娘のお英も絵師でしたが、映画では描いている様子はありません。
家が汚くて、片づけられなくなると引っ越したようですが、そんなエピソードはなしです。
しかしドキュメントではないのですから、それはそれで楽しめます♪
種彦暗殺は、芝居がかったフィクションですが、事実が不明なのでアリなのかなと思います。
北斎といえば
北斎の有名なエピソードは
・家が汚い
絵を描くこと以外興味がなかった北斎は家が汚れても気にしなかったというのは有名です。
家がキレイでなければ集中できないというアーティストもいれば、北斎のように気にならないという人もいます。
北斎は着るものにも無頓着で破れていても汚れていても気にしなかったそうです。
・引っ越し魔
北斎の引っ越し回数は93回といわれています。
ちなみにベートーベンは79回。
現在活躍しているある俳優さんは
「片付けが苦手。これ以上片づけられないとなったら引っ越す」
と言っていました。
北斎もこれに近いかもと想像しています。
手が付けられなくなるくらいまで、掃除せず片づけずに放っておいて、気分転換に新しい住まいに引っ越す
ということだったかもと。
・てんやもの
家事をしない北斎。一緒に住んでいた娘もしなかったので、食事はてんやものが多かったそうです。なので家に食器ひとつなく、包装の竹皮や箱も食べ終わったあとはそのへんに放置。
酒は飲まない、お茶も自分では入れない。けれど、甘いものには目がなかったそうです。
・貧乏
存命中も売れっ子だった北斎でしたが、いつも貧乏でした。
その原因は北斎自身がどんぶり勘定なため、アクドイ者からボラれていたり、そのへんにお金をおいておくので持っていかれたりというのもあるようです。
・娘
北斎は2度結婚していて二男四女でした。
娘のお栄は離婚したのち助手・浮世絵師として北斎と暮します。
お栄も家事をいっさいしない娘でした。
長寿
いまならば長生きするための健康情報にあふれていて健康づくりに励む人も多いかと思います。
北斎は当時としては大変な長寿でした。
その秘訣はいろいろと言われています。
無頓着な生活をしていた北斎は70歳手前に脳卒中で倒れます。
その後自ら調合した漢方薬で回復しという逸話があります。
①柚子1個を細かく刻み、酒1合を加えて水あめ状になるまで煮詰め、それを白湯で割り、二度に分けて飲む。
②竜眼(りゅうがん)の焼酎付け。これを朝晩二回おちょこで飲む。梅酒の竜眼バージョンといったところでしょうか。
(参考『もっと知りたい葛飾北斎』)
ルーズな北斎がこれだけはマメだったのですね!
臨終
北斎は臨終に
「あと10年、いやせめて5年寿命があったら、まことの絵描きになれるのに」
と言ったことは有名です。
絵に対する執念を感じますね。
映画『HOKUSAI』
2021年5月28日公開<監督> 橋本一
<キャスト>
葛飾北斎(青年・壮年期):柳楽優弥
葛飾北斎(老年期):田中泯
喜多川歌麿:玉木宏
柳亭種彦:永山瑛太
蔦屋重三郎:阿部寛
コト:瀧本美織
永井五右衛門:津田寛治
高井鴻山:青木崇高
瑣吉 / 滝沢馬琴:辻本祐樹
東洲斎写楽:浦上晟周
麻雪:芋生悠
お栄:河原れん