映画『劇場』又吉直樹著:原作本あらすじ〈映画感想〉

又吉直樹さんの芥川賞受賞作「火花」は100万部を超える大ヒットとなり

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にもなりました。

となると次回作も大いなる期待をもたれます。

その文壇第二作目が

「劇場」

です。

2017年5月発売

 

映画「劇場」

2020年7月公開

スタッフ

監督:行定勲

脚本:蓬莱竜太

音楽:曽我部恵一

 

 

キャスト

永田(ながた)山﨑賢人
野原と2人で劇団「おろか」を立ち上げ、脚本を書いている。

 

沙希(さき)松岡茉優
高校卒業後に女優を目指して青森から上京。

 

野原(のはら)寛一郎
永田の中学時代からの友人で音楽・映画・文学・格闘技に詳しい。

 

青山 伊藤沙莉
劇団「おろか」の唯一の女性団員。

 

小峰 井口理
劇団「まだ死んでないよ」の脚本、演出を手がけている。永田と同い年。

 

田所 浅香航大
劇団「まだ死んでないよ」の団員。沙希が勤める居酒屋のバイト仲間。

 

 

 

原作本のお話は

あらすじ

お芝居が好きな永田が中学からのクラスメイト野原と劇団「おろか」を結成するが、なかなか芽が出ない。

永田はアルバイトをしながら脚本を書いていた。

そのアルバイトも濡れ衣を着せられ解雇されてしまった。

途方にくれていたところ、沙希に出会う。

沙希は青森から女優を目指して上京し、服飾の専門学校へ通っていた。

永田と沙希は自然と付き合うようになり、一緒に暮らすようになる。

自分の劇団「おろか」は5人しか団員がいないのに3人がやめたいと言ってきてもめる。

永田は他劇団の脚本を依頼され、いちおう成功する。

そんな折、劇団「まだ死んでないよ」の脚本、演出を手掛けている小峰の存在を知り、その舞台に感動するが、嫉妬もする。

沙希は学校を卒業し昼も夜もアルバイトをしてすごすようになる。

その夜の居酒屋のアルバイトの店長と怪しいのではないかと勘ぐった永田は強硬手段に出て、沙希を連れ戻す。

しかし沙希は気力をなくし怠惰な毎日を送るようになり、やがて故郷の青森に帰ってしまった。

久々に沙希が上京してきた。

東京の荷物をとりにきたのだ。

これで最後となる夜を二人ですごす。

 

 

映画の見どころ

1. 主役の永田

主人公の永田がくせ者です。

原作は一人称で語られていて、“僕”の心理描写が細かいです

鬱屈とした暗い性格で社交性がなく人見知りで、ケチで甘えん坊でその上プライドが高い。

この小説を読んだときに

永田って素敵

という印象を持つ人はまずいないのではないでしょうか。

そういった人物像です。

それを人気俳優の山﨑賢人さんがどう演じるか、見どころでしょう。

 

 

2.恋人の沙希

永田の恋人・沙希役の松岡茉優さんは、想像がつきます。

まさにピッタリではないでしょうか。

ちょっとしたことにもすぐ笑う明るい性格。

道を歩いているとよく呼び止められ、愛想よく話返す、社交的な人。まっすぐで人を信じようとする、いいところを見つけようとする、純粋な子です。

 

 

3.元劇団員青山

元劇団員の青山を演じる、伊藤沙莉さんもピッタリです。

NHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の時の演技、キツイ言い方でまくり立てる演技はお得意です。

NHKドラマ「これは経費で落ちません!」のときの悩ましい表情も良かったです。

 

 

4.永田対劇団員

劇団員がやめると言い出す場面。

またしょっちゅう衝突する、永田と青山がケンカする場面は、どういった演技になるのか。

 

 

5.劇中劇

劇団のお話ですので、劇中劇が出てきます。

永田が書いた劇や、永田が感動したという小峰が書いた劇を映像でどういうふうに表現しているのか、見てみたいですね。

演劇をやっている人ならば、表現してみたくなるのかもしれませんね。

 

 

6.語るのか

「エースをねらえ」のアニメは主人公の岡ひろみが終始心の中のひとりごとを語っているアニメでしたが、この映画はどういうふうに作られているのでしょうか。

原作の主人公の細かい心理描写を言葉を使わずに映像で表現するのか、語りをいれて表現するのか、見どころでしょう。

 

 

映画感想

原作を読んでいたときの、永田に対する怒りが蘇ってきました。

サイテーな男。

こんな男性をあんなかわいらしくて性格も良い子が好きになる話なんて、”男の妄想”としか思えない。

永田を演じた山崎賢人さんがイケメンだからまだ見ていられる。

 

映画全編が、永田のひとりごと解説で進んでいきました。

これって映画にする必要あったのかな?

と思いました。