映画『ビブリア古書堂の事件手帖』セピア色の過去シーンが素敵!
黒木華さん主演で大人気小説『ビブリア古書堂の事件手帖』を実写化した映画です。
2018年11月公開
【キャスト】
黒木華 ・・・篠川栞子
野村周平 ・・・五浦大輔
夏帆 ・・・五浦絹子
成田凌 ・・・稲垣
東出昌大 ・・・田中嘉雄〈原作〉 三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」
〈監督〉 三島有紀子
〈脚本〉 渡部亮平、松井香奈
〈音楽〉 安川午朗
〈主題歌〉サザンオールスターズ「北鎌倉の思い出」
原作では五浦大輔が主人公でしたが、
映画では篠川栞子が主役の設定です。
現代と過去のシーンの構成になっています。
ハマリ役の黒木華さん
篠川栞子役の黒木華さんがルックス・雰囲気ともにぴったりです。
本の話になると陽気でおしゃべりになるのに対し、それ以外では、しどろもどろの内向的な性格になるというニ面性をうまく表現されています。
もう黒木華さん以外考えられないほど、ハマリ役だったと思います。
祖母役の渡辺美佐子さん
祖母役の渡辺美佐子さん。
始めは「もしかして?」と半信半疑でしたが、エンドロールでお名前を拝見し納得しました。
ご健在でなつかしく思いました。孫をしかり飛ばす役がまさしく適役です!
愛情深い味のある演技で心がホッとしました。
渡辺美佐子さん
1932年東京都出身
NHK朝の連続テレビ小説「おしん」での演技が印象的です。
シャキシャキっとした口調で、ピリッと芯の強い心温かい役はハマり役。
ステキな描写・回想シーン
舞台挨拶でも役者さんが口をそろえて絶賛していた、五浦大輔の祖母の青春時代を描いた昭和の回想シーンがとても良かったです!
とくに夕暮れの海を背に若い頃の祖母と田中嘉雄のシーンが素敵すぎます。
セピア色のトンネルから緑深い現代のトンネルに変わっている表現が、時間の経過を見事に表現していました。
映像が美しいんですよね~。
東出昌大さん
東出昌大さんも素敵に演じられていました。
五浦絹子が結婚している身でありながら惹かれてしまうくらい魅力的に見えました。
田中嘉雄の人妻への想い、作家として認められない苦悩、絹子自身の苦しい胸の内など、原作にはない回想シーンの膨らみが、ストーリー・映像ともに、この映画を引き立てています。
監督・三島有紀子さん
1969年大阪府出身
作家・三島由紀夫が大好きだという父親が”三島有紀子”と名付けた。
さすがに”三島由紀子”と漢字までは同じくしなかったのですね。この『ビブリア古書堂の事件手帖』を観て、
また三島監督の作品に注目していきたいと思いました。
逃げるシーン
現代シーンの、篠川栞子と五浦大輔が逃げるシーンだけが残念。
どうして埠頭へ行くのでしょうかね?
まるで2時間ドラマで絶壁へ行くパータンと一緒に感じました。
もし万が一、現実の生活で逃げることになったとしても、ドラマのように絶壁には逃げないのと同様、港へも行きません。
原作では「晩年」を燃やしてしまったけれど、映画では海へ投げ込んでしまう演出にしていましたね。
海に投げたことにしたいために埠頭へ行ったんでしょうけれど、陳腐な設定に感じてしまいました。
まとめ
それにしても古書をめぐってこんなにもドラマが広がるのですね。
じんわりと感動の広がる映画でした。
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