映画『そして、バトンは渡された』どんなお話?あらすじは?
2021年10月に公開予定の映画です。
原作は2019年の本屋大賞、ブランチBOOK大賞、紀伊國屋書店・キノベス!2019大賞、山本周五郎賞候補など、話題を呼びました。
作者の瀬尾まいこさんは、長年国語の教師を勤めていたそうです。ですので学校生活の描写は現実に近く描かれていそうですね。
ストーリー
原作は複雑な親子関係の成長期をすごし、22歳で結婚にいたるまでの日常生活、特に家族を描いたお話です。
主人公の優子が高校2年生のところから始まります。そのときすでに3人の父親と2人の母親を持ち、3人目の父親と二人暮らしをしています。
優子を演じるのは永野芽郁さん。今年22歳ということですので、高校生を演じるのはギリギリかなという感じはします。大人っぽいですしね。
優子の3人目の父親・森宮を演じるのは田中圭さん。親子というには若すぎる父親ですよね。しかし原作も37歳ですので設定通りですね。
高校生活を中心に、回想話が盛り込まれています。優子がなぜ3人の父親と2人の母親を持つことになったのか、なぜ37歳の血の繋がらない父親と一緒に二人暮らしをしているのか。
今と回想と入り交じりますが、まったく違和感なくお話が進むところはさすがです!
そしてお話がおもしろいので、次がどうなるのか、読みたくなり一気に読み切ってしまいました。
奇妙な父子
18歳の高校3年生と37歳の父親。
血のつながりはない。
このことがあとで、からかいの種になります。
優子は父親のことを「森宮さん」と呼びます。
優子の2番目の母親の梨花は、森宮さんと結婚していましたが、出て行ってしまい、再婚します。自由奔放な女性。石原さとみさんが演じます。
優子の家族
父親が3人、母親が2人。
家族の形態は17年間で7回も変わりました。
優子、水戸家に生まれる。
小2
母は交通事故で優子が3歳になる前に亡くなったと知る。
梨花に初めて会った。
小3
梨花が母親になる。
小4の春休み
実の父・水戸がブラジルへ転勤になる。
梨花と優子は日本に残る。梨花と水戸は離婚。
小6卒業後
優子が「ピアノを習いたい」と言うと
梨花は「このアパートだと無理だけどなんとかする」
といって泉ヶ原さんと結婚。
グランドピアノがある広い家に引っ越した。
中学を卒業した春休み
梨花が森宮と結婚
2ヶ月で梨花は出ていった。
22歳
優子が結婚のため梨花の元を訪れると
梨花は泉ヶ原さんと再婚していた。
それはなぜか?
最後に明かされます。
そして梨花は
「優子にお詫びしたい」
といいます。
それはどういうことなのか?
これも最後の最後にサプライズがあります!
主な登場人物・キャスト
優子:
主人公の高校生
演)永野芽郁
森宮さん:
優子の3番目の父親
演)田中圭
梨花:
優子の2番目の母親
演)石原さとみ
早瀬くん:
同じ高校の男子のちに結婚。
演)岡田健史
水戸:
優子の実父
演)大森南朋
泉ヶ原:
優子の2番目の父
演)市村正親
あらすじ
高校2年生の進路面談。
「なにか困ったことがあったら話しなさい」
と担任の向井先生は言う。
しかし本当に困っていることがないのだから、申し訳なく思ってしまう優子。
「家から近くて栄養士の資格をとれる園田短大が希望」
ということは伝えた。
3年生の始業式の朝。
朝からカツ丼を張り切って作ってくれた森宮さん。
「キツイ」と思いつつもせっかく用意してくれたんだからと無理矢理食べる優子。森宮さんはメロンパンを食べている。
5月。
「来月の球技大会の実行委員会を一緒にやろう」
とクラスの浜坂から誘われ、みんなの前で推薦される。
結局浜坂と実行委員会をやることになって無事に終える。
球技大会から1週間後、友人の萌絵が
「浜坂が好きだから伝えてとりもってほしい」
と頼んできた。放課後、美術室前にくるようにと伝えたとも言う。
放課後、浜坂と二人きりになる優子だが、萌絵のことは言えなかった。
すると萌絵は怒り、悪口をいいふらされた。優子はクラスで仲間はずれ状態になった。
こんな感じの日常生活に、小さい頃の回想話が盛り込まれて進んでいきます。
森宮さん
森宮さんは東京大学を出て一流企業に勤めている高給取り。
なのに高校生の娘が帰ってくる時間に夕食の買物を済ませ、夕食を作ってくれている。たいていはデザートにケーキなどを買っておいてくれ、一緒に食べてくれる。
一流企業に勤めている高給取りのサラリーマンがそんなに早く帰ることができるのだろうか?
という疑問が頭をかすめます。が、今はそんな会社もあるのかもしれないと無理矢理スルー。毎日のようにデザートまで買ってきてくれて一緒に食べてくれる父親ってうらやましいですね。
妻が出て行って、血の繋がらない娘と二人で暮らすことになった森宮さんは、娘に「よろしくお願いします」と深く頭を下げる。
どこにそんな人がいるんでしょうね?
いや、今の時代、いるかもしれない、どこかに。
森宮さんのことば
「梨花のことは好きだけど、大事なのは優子ちゃんだ。俺、人である前に、男である前に、父親だからね。この離婚届出したら、結婚相手の子どもじゃなく、正真正銘の優子ちゃんの父親になれるってことだよね。なんか得した気分」
「親になるって、未来が二倍以上になることだよって。明日がふたつにできるなんて、すごいと思わない?」
「自分のと、自分のよりずっと大事な明日が、毎日やってきる。すごいよな」
「自分以外の未来に手が触れられる毎日を手放すなんて、俺は考えられない」
「俺、再婚もしないし、どこにもいかないし、平均寿命までは死ぬこともないから。俺にとって、親になるって、そういうことだから」
なかなかなご発言で、ご立派です。
これは現代版小説ファンタジーだ!
デキた親、悩みがほぼない優等生の高校生、優しく気前のいいバイト先、理解のある彼氏
傷つける人がほぼいない生活は、理想です。
心あたたまるでしょう。
現実にはありえない!
と頭の中をかすめますが、ファンタジーだと思えばアリです。
そういう世界にひたりたい人向けのお話でしょう。
映画
『そして、バトンは渡された』
201年10月29日公開
|
|