映画『鹿の王』感想☆新鮮さがない絵、原作に遠く及ばない脚本!
『“映像化不可能”と言われ続けた小説に実力派スタッフ&キャストが集結』
というコメントをネットで見ましたが、本気で言っています?
当初は2020年9月公開予定だったところ、公開日が近づいても宣伝活動も見られず、ひっそりと映画館の公開カレンダーからはずれていました。しばらくして“公開延期”と記されました。
コロナ渦で動員数を危惧してなのか、テーマのせいなのか、何の説明もないまま月日が経ちました。
2度の延期後、晴れて公開となったのですが、今の方が感染者は多いという皮肉なことになってしまいました。
飛鹿(ピュイカ)
映像化で私が期待していたひとつがピュイカです。
“鹿の一種。頑健。断崖絶壁に強い。急峻な崖をなんなく駆け上がり駆け下りる。早く機敏で跳躍力がすさまじい”
どんな絵になるんだろとワクワクしち見ました。
最初「どこにいるんだろう?」と思ったくらい“ただの鹿”でした。
ジブリっぽい
どうもジブリを見ているような絵が古い感じがしました。
見終わって調べてみたら、やはり監督がジブリ出身でした。
王国も異国といってもどこかでみたことがあるような絵に見え、新鮮さがないのですよね。
日本のアニメはジブリっぼさから抜け出せないのでしょうか。
怖いユナ
ユナを怖い表情にする必要があったでしょうか。
憑依されている状態ならば、惚けている症状でも良かったのでは。
あの表情はどうか?と思います。
映画脚本化不可能
確かに映像は繊細で緻密、色鮮やかで美しいシーンもありました。
しかし『鹿の王』の世界観を感動的に驚くような映像で見せてくれたかといえば、どうなんでしょう?
アニメは詳しくないので、語れないのかもしれませんが、アニメに詳しい人から見たら「よくぞよくぞ」といったできばえなのでしょうか?
肝心なのはストーリー。
長編ファンタジー小説を約2時間に収めるために色々と案は出たでしょう。
途中退屈でした。
一番の見せ場の最後の祭典のシーンも「う~ん」。
凝縮するのはいいと思います。時間がないのですから。原作からかけ離れても仕方がないと思います。
原作どおりにしてほしいとは露ほども思っていません。所詮無理ですから。
しかし、面白くなければ「良かったー!」とは言えません。
『獣の奏者エリン』
上橋菜穂子さん原作の『獣の奏者』のアニメ『獣の奏者エリン』も原作をアレンジして少女エリンを主にしたアニメです。
この作品は原作通りではありませんが、これはこれで面白いです。最も連載テレビドラマなので時間はたっぷりあります。途中脱線したストーリーもあるくらい。ディスクだと100分前後が12枚あります。
『鹿の王』もこのくらいの尺ならば、良かったのかもしれませんね。
“映像化不可能”ではなく“映画脚本化不可能”ということですね。
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あらすじ
主人公ヴァンは岩塩鉱で奴隷として働いていた。
ある夜、黒い犬が群れをなしてヴァンたちが寝ている洞窟を襲った。ヴァンもまわりの者と同様に黒い犬にかまれた。
黒い犬はヴァンのもとに幼い女の子・ユナを残して去った。
ヴァンはユナと岩塩鉱を出た。二人は唯一の生き残りだった。
ヴァンたちが去った後、医師ホッサルたちが洞窟の調査を始めた。そして生き残りがいたことをつきとめ後を追う。
映画
『鹿の王』
2022年2月4日公開
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